本記事では精神保健福祉士・野坂きみ子氏の書籍『“発達障害かもしれない人”とともに働くこと』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「こころの問題」についてひも解いていきます。今回は、なぜ大人になるまで発達障害に気付かない人が多いのか、その理由について見ていきましょう。

業務上の不都合により、発達障害ではないかと気づく…

ストレスチェックは、委託している精神科医がその評価をし、必要な人に精神科の受診を勧めます。メンタルヘルスへの配慮は、精神科的フォローへとシフトしていきます。発達障害の傾向においても同様で、精神科への受診勧奨になり、その域を出ません。

 

そして発達障害だとわかったあとで、継続就労できにくい理由は、発達障害ではないかと気づくきっかけが、業務上の不都合だからです。端的に言うと、仕事ができないことと周りの人とうまくやれないことです。これはセットのことが多いですが、これらは職場の人間関係を通し発生します。人間関係としても、悪化していることが多いからです。

 

仕事ができない、周りの人と上手くやれない…(画像はイメージです/PIXTA)
仕事ができない、周りの人と上手くやれない…(画像はイメージです/PIXTA)

 

発達障害者の就労支援の利用は高くなっていますが、それはいわば、就労のリセットです。大人になってからわかる障害という問題が、このように中途障害的な状況を生んでおり、退職してのち障害者としての再就職という道筋を作っていっています。

 

 

本記事は連載『“発達障害かもしれない人”とともに働くこと』を再編集したものです。

 

野坂 きみ子

 

 

“発達障害かもしれない人”とともに働くこと

“発達障害かもしれない人”とともに働くこと

野坂 きみ子

幻冬舎メディアコンサルティング

「接し方がわからない」「予想外の反応に戸惑う」ーー大人の発達障害に悩むのは本人だけじゃない。 長年、医療福祉相談員として働いてきた著者が語る、ともに向き合い、仕事をしていくうえで必要なこととは?

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