節税を考えた場合「確定申告」と「年末調整」得なのはどっち?

サラリーマンなら年末調整だけで十分じゃないの?

節税を考えた場合「確定申告」と「年末調整」得なのはどっち?

「毎年確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年1月頃になるとこのような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているという。申告相談に携わった元国税専門官が、絶税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

サラリーマンの節税「年末調整」を確実にやる

ところが、会社員や公務員としてお勤めの方(以下、「サラリーマン」)の多くは、確定申告をせずに済ませることができます。なぜなら、サラリーマンの場合は、会社が個人に代わって所得税と住民税の手続きをしてくれているからです。

 

小林義崇著『確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!』(河出書房新社)
小林義崇著『確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!』(河出書房新社)

サラリーマンの人は、会社から交付される給与明細を見てください。所得税と住民税が差し引かれていませんか? これは、あなたの税金を会社が天引きしているものです。給与から所得税が差し引かれることを「源泉徴収」と呼び、住民税が差し引かれることを「特別徴収」と呼びます。

 

源泉徴収された所得税は、会社から税務署に納税されることになっています。サラリーマンの方は自分で税金を払っている感覚が薄いかもしれませんが、じつはしっかり毎月税金を取られているというわけです。

 

ただし、源泉徴収される所得税は、あくまでも給与の収入にもとづく仮計算にすぎません。そのため、1年の終わりに、きっちりと所得税を計算して精算することになります。この手続きを、「年末調整」といいます。

 

サラリーマンができる節税の第一歩は、きちんと年末調整関係の書類を仕上げることです。「面倒くさいから」といって適当に処理するのはもったいないのです。

 

ここまでの説明を読んだ人は、「サラリーマンは年末調整があるから、確定申告なんて考えなくてもいいのでは?」と思ったかもしれません。

 

じつは、年末調整でできる手続きは一部に限定されます。つまり、年末調整ではできない節税方法は少なくありません。

 

本連載で紹介する節税方法も、その多くは確定申告をしなければ使えないものですから、サラリーマンの人も、「確定申告をしたほうがいいのか、年末調整だけで十分なのか」ということを毎年考えていただければと思います。

 

※本記事は「確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?」(河出書房新社)の一部を抜粋し、2020年12月現在の法令等に合わせ加筆したものです。法改正などにより、内容が変更となる可能性があります。

 

小林 義崇
フリーライター 元国税専門官

 

 

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確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

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小林 義崇

河出書房新社

クイズ形式で出題。ベスト・チョイスはどっちか? 青色申告or白色申告。開業届を出すor出さない。家族を雇うorパートを雇う。iDeCo or小規模企業共済。郵送で申告or e‐Tax。国税専門官として数多くの申告相談に携わった著者…

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