兄弟姉妹で引き継いだ実家や夫婦でローンを組んで買ったマイホームなど、「共有名義不動産」はトラブルの原因となりやすいもの。本記事では、共有名義不動産のトラブル事例を紹介し、解決策について解説していきます。

「分割したい…」実際の方法はコレ!

共有者が分割を請求した場合、(1)協議による分割、もしくは(2)裁判による分割が行われることになります。前者は共有者の話し合いによって、後者では裁判所の力を借りて分割が行われます。

 

また、分割の方法としては、以下のように①現物分割、②代金分割、③代償分割・価格賠償という3つの選択肢があります。

 

①現物分割

共有物自体を持分に応じてそれぞれの共有者に分ける。

 

②代金分割

共有物を売却してその代金を共有者に分配する。

 

③代償分割・価格賠償

共有者の1人が共有物を取得し、他の共有者に持分に応じた金銭を支払う。

 

(2)裁判による分割が行われる場合には、原則として①現物分割の形になりますが、分割が不可能、または目的物の価格が減少するおそれがあるときは、競売が実行され共有者に代金が分配されます。

 

また、共有物に対して権利を有する者(賃借人、担保物権者など)や共有者の債権者は、自己の費用で分割の手続きに参加することができます。共有者の債権者がこの参加を求める請求をしているにもかかわらず、参加させずに分割を実施した場合には、分割結果は無効となります。

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あぶない!! 共有名義不動産

あぶない!! 共有名義不動産

松原 昌洙

幻冬舎メディアコンサルティング

「共有名義不動産」をめぐるトラブルがあとを絶ちません。 たとえば兄弟姉妹の場合、相続の際に現金資産はすぐに分割しても、実家などの不動産は「とりあえず共有で持とう」とするケースは珍しくありません。しかし、「仲の良…

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