ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

誰にも業界による得意不得意がある

どんな業界のプロモーションをしてきたか?

 

もうひとつ確かめておきたいのが、どんな業界のプロモーションを担当してきたかです。業界ごとにそれぞれ勘どころが異なるので、それを押さえた上で広告を出す媒体を選んだり、運用をすることが必要になります。広告代理店も小規模な会社だと手がけてきたクライアントの数が限られるので、業界による得意不得意があります。

 

そのビジネスのしくみや商慣習を把握してからやっときちんとしたプロモーションができるので、まったく知らない業界を一から始めるとなると、結果が出るまでに時間を要します。それはもちろんクライアントにとって望ましいことではありません。少なくともその業界についてある程度のことを知っている会社や担当者に任せる方が、いい結果が出やすくなります。

 

そこで「どんな業界の仕事をしてきましたか?」という質問を必ずしてみてください。あるいはダイレクトに「うちの業界のプロモーションをやったことはありますか」と聞いてもいいのです。やったことがなければ、「業界に関係なく対応できます」などとあいまいな返事でごまかしてくるでしょう。

 

「はい、あります」ということであれば、次に「どんなプロモーション戦略を立てましたか」と尋ねてみます。実際にやったことは即答できますが、やっていないことは話せません。その業種について肌感覚を持っていると、ビジネスモデルやどこにユーザーがいるかなどが頭に入っています。経験のない人は、ビジネスモデルに合わない話を始めたり、1件の反響を得るためにまったく採算が合わない数字を並べたりします。

 

これはいけそうだなと思ったら、さらに突っ込んで「リスティング広告なら、うちはどういうキーワードで集客をすればいいでしょう」と実際のウェブマーケティングを想定した質問をします。

 

「御社の業界ならこういう手法を組み合わせて、これぐらいの予算でこの程度の反響が想定されます」

 

これぐらいの答えが返ってくれば、信用してもいいのではないでしょうか。あれこれ説明しなくても、業界についてある程度は共通の認識にもとづいた話ができるでしょう。

 

ただし細かいことを言えば、同じ不動産業界でも、富裕層向けの新築高級マンション販売、リフォームやリノベーション、一戸建て専門の工務店、賃貸アパートの仲介では、それぞれ仕事の中身もプロモーションの戦略も異なります。

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増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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