コロナ禍で苦境に陥り、何とか国からの支援で踏ん張っている…そんな中小企業は多いでしょう。しかし近いうちに支援は期限を迎えます。そんななか、光明がみえてきました。先日、12月8日、経済産業省から経済対策として「事業再構築補助金の創設」が発表されました。今回は事業再構築補助金の続報。コロナ禍以降の中小企業支援について説明していきます。※本連載では、企業再生のスペシャリストである坂本利秋氏が、中小企業が経営難を乗り切る方法を解説していきます。

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事業再構築補助金…「補助対象者」はだれか

①申請前の直近6ヵ月間のうち、売上⾼が低い3ヵ月の合計売上⾼が、コロナ以前の同3ヵ月の合計売上⾼と⽐較して10%以上減少している中⼩企業等

 

②⾃社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経産省が⽰す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定⽀援機関等と策定した中⼩企業等

 

①についてはほとんどの中小企業が対象になるでしょう。連続する3ヵ月でなく任意の3ヵ月で良い、コロナ前と比較してたった10%の減少で対象と考えると対象者になるハードルはほとんどありません。

 

②事業再構築指針に沿った事業計画の策定を、一般的な中小企業が自社で作成するのは困難でしょう。ものづくり補助金等で経験を積んだ一部の中小企業以外は、認定支援機関の支援を受けるのが妥当です。10月末時点37,720機関ほどあり、中小企業庁のHPにて都道府県別、種別(税理士、公認家計士、中小企業診断士他)で検索が可能です。筆者も中堅・中小企業の再生支援の一環で、頻繁に事業計画の策定、各種補助金の申請支援を行っております。

事業再構築補助金…「補助金額と補助率」

出所:経済産業省「令和2年度第3次補正予算案の事業概要」(2020/12) *1 400社限定 *2 100社限定
[図表1]事業再構築補助 出所:経済産業省「令和2年度第3次補正予算案の事業概要」(2020/12)
*1 400社限定
*2 100社限定

 

このように中堅企業と中小企業で分類され、さらに通常枠とそれ以外に分類されています。

 

通常枠以外は中小企業で400社、中堅企業で100社の計500社と補助額が大きいため狭き門なのは仕方ありません。この500社にはコロナで資金繰り破綻しそうな状況にあり、苦し紛れに業態転換をする企業は入らないでしょう。おそらく次のような企業が対象になります。

 

・確かに任意の3ヵ月ではコロナ前より10%以上売上が下がったものの、通期では前年比並みもしくはそれ以上である

・コロナ禍で今期のみ赤字かもしれないが、それまでは毎期黒字を計上し、大幅な資産超過である

・コロナ禍でも資金繰りに問題はなく、自己資金での投資を計画していた。どうせ投資するならば、補助金がもらえた方がラッキー

 

いわば、補助金がなくともびくともしないピカピカの企業です。よって、ほとんどの中堅・中小企業は通常枠での申請を考えることになります。

事業再構築補助金…事業再構築の具体事例

出所:第1回中堅企業・中小企業・小規模事業者の活力向上のための関係省庁連絡会議 配布資料2(2020/12/9)
[図表2]事業再構築の具体事例 出所:第1回中堅企業・中小企業・小規模事業者の活力向上のための関係省庁連絡会議 配布資料2(2020/12/9)

 

図表2が補助対象となりうる事業再構築の具体的事例です。工作機械の購入などはわかりやすいです。工作機械、建設機械等の特殊な業務用機械や、業務用ソフトウエア、サーバー等の購入も対象になると思われます。

 

続いて、接触型・リアル型ビジネスから非接触型・ネット型への移行です。非接触型を実現するためのシステム投資が対象となるのは当然として、旧ビジネスの廃棄・撤退費用も対象になるとより使い勝手が良くなりそうです。

 

もう一つは開発費用です。新サービス以降に伴うシステム・アプリ開発費用、客室の改造なども広義の開発費用と考えることができます。

 

図表2の事例はどれも順当と言いますか、補助金名から予想した通りです。筆者は、企業再生とM&A支援を行っておりますので、事業再構築に伴う外部費用まで対象になるかに注目しています。

 

まとめると、現時点で明らかになっている補助事業はこうなります。

 

・市販されている業務用の機械、ソフトウエア等の購入やサービスへの加入

・ソフトウエア開発、製造ラインの構築、店舗の改造などの開発、改造

・特に接触型・リアル型から非接触型・ネット型への移行は対象になりやすい模様

 

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