我が子に「コミュニケーション能力」を身に付けてほしいと考える保護者は少なくありません。今回は、幼少期からコミュニケーションへの意欲を高める方法について解説します。

 

では、表面的には他者との関わりを拒むように見える子どもたちに、どうすれば自発的なやり取りを促すことができるのでしょうか。

 

それには、遊びのなかに繰り返しのパターンをつくり、大人の行動への期待感を持たせることがポイントになります。日常の場面で、気に入ったおもちゃで繰り返し遊ぶ姿を目にしますね。子どもは学習することが好きですから、気になるおもちゃを見つけると色々な方法で遊ぼうとします。

 

たとえばボールであれば、最初は口に入れてみる、両手を使って持ち替える、次には放ってみたり、隠してみたり。そのようにして学習を重ねていきます。そこに大人が介入することで、自分・もの・他者という三項関係を築き、それがコミュニケーション意欲ともつながっていきます。

 

しかし発達障がいの子どもたちは、遊んでいる場面に大人が介入することを嫌がり、自分のやり方で遊ぶことだけを好むように見えることがあります。そうすると大人は、この子はひとりで遊ぶのが好きなのだな、とあきらめてしまいます。

 

「この子はひとりで遊ぶのが好きなんだな」(画像はイメージです/PIXTA)
「この子はひとりで遊ぶのが好きなんだな」(画像はイメージです/PIXTA)

 

そこであきらめず、コミュニケーション意欲を外へ向かわせるための方法が、繰り返しによるパターン遊びです。

 

先述のボールを使った遊びでは、繰り返し転がして遊んでいるところへ、ひょいっとボールをつかんで背中に隠し「あれ、ない」と声をかけてみます。子どもはボールに注意を向けていますから、急にボールを取られてボールを探します。

 

そこですかさず「あ、あった」とボールを渡す。

 

しかし大人へは見向きもせず、また自分のやり方で遊びだすでしょう。そこでまた同じようにボールを隠し、すぐに取り出して見せる。

 

このような行動を繰り返すうちに、最初は見向きもしなかった子どもが、次第に大人の行動にパターンを見出し、ついには大人がボールを隠すことを待つような様子さえ見せるようになります。そのとき子どものなかには、ボールへの興味より大人の行動への期待感が増しているのではないでしょうか。まさしく他者と関わりたいという意欲の兆しです。

 

このような遊びを通じ、自ら関わろうとしないように見える子どもにも、他者とやり取りする喜びを体験させることができます。そして、他者と関わる喜びの体験を重ねることにより、コミュニケーションへの意欲を高めることができるのです。

 

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大坪 信之

幻冬舎メディアコンサルティング

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