火災現場では、燃え煤のなかに様々な物質が含まれています。燃えた際の温度や材料によって含有物は変わるため、入室の際は細心の注意が必要になります。本記事では、ダイヤモンドプリンセス号の除染作業に従事した、特殊清掃のプロ集団である「特掃隊」の連載「HOW TO コラム」より一部を抜粋し、火災現場の健康被害について解説します。

 

●肺がん


石綿が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。また、喫煙と深い関係にあることも知られています。アスベストばく露から肺がん発症までに15~40年の潜伏期間があり、ばく露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。

 

●悪性中皮腫


肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20~50年といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。

 

911同時多発テロのとき、被災者の救出にあたった多くの人々がアスベストを吸ってしまい、その後アスベスト禍が表面化し問題になりました。つい最近までおよそ1万人がニューヨーク市を相手取り損害賠償を求めていましたが、2010年11月に市側が少なくともおよそ520億円を支払うことで、和解が成立しました。このことからも、アスベスト被爆は深刻な二次災害であったことが分かります。

 

昔は小学校や公民館、自動車のタイヤやブレーキ部品にもアスベストは使用されていましたし、健康被害を気に掛けるという点では日常、頻繁に高い濃度でアスベストに接触するような環境にいなければ大きな問題は無いのかも知れません。

 

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