日本には「知らぬが仏」という言葉がある通り、秘密にすることによって穏便に事を済ませようとする文化がありますが、相続が発生すると状況は一変します。実際、富裕層の間では、まさに昼ドラのようなドロドロの相続トラブルが発生しているのです。新月税理士法人の佐野明彦氏が事例を紹介し、対策法を解説します。※毎年恒例、幻冬舎ゴールドオンラインの相続特集が開幕! 最新情報から大人気記事のピックアップまで、盛りだくさんでお届けします。

「子供の認知」は「最低限の愛情表現」だったのに…

事例のようなトラブルが起きるのは、経済的な理由もありますが、多くの場合、子供に対する愛情が伝わっていないことが原因にあります。

 

一般的な父親であれば子供への愛情があるのは当然ですが、ただ思っているだけでは子供には伝わりません。思い立ったらすぐに行動して認知や生活費の援助を確定させ、しっかりとそのことを伝えておくことが最低限必要だと考えます。

 

正妻やその子供などにとっても、社長の死後に隠し子からの訴えがあれば、社長本人だけでなくその愛人と隠し子にもひどい怒りを覚えるでしょう。ありえませんが、もし生き返って家族の心の痛みを知ると後悔するはずです。

 

死後に隠し子から認知請求がなされたら、正妻側からも不倫相手である隠し子の母親を訴える場合があり得ます。時効など複雑な事由は絡みますが、大変な騒動となることは間違いありません。懺悔をするなら、生前の相続対策を十分にしておくことが大切です。

 

今回の事例ではあまり関係ありませんが、「本当の子供かどうか」が問題となる場合があります。法律的には「本当の母親かどうか」という点は疑いがありませんが「本当の父親かどうか」は第三者からはわかりません。そのため、法的な効力をもつ「認知」という手続きがあるのです。

次ページ認知以外の方法で父子関係が認められる方法は…
妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

佐野 明彦

幻冬舎メディアコンサルティング

どんな男性も妻や家族に隠し続けていることの一つや二つはあるものです。妻からの理解が得にくいと思って秘密にしている趣味、誰にも存在を教えていない預金口座や現金、借金、あるいは愛人や隠し子、さらには彼らが住んでいる…

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