
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、業績悪化や倒産の危機に直面している企業が増えています。取引先の企業がそのような状況に直面している場合には、取引先の資金繰りや支払能力からみて、取引先に対する債権の回収が困難になるケースが増えてくるでしょう。この点、法人が保有する債権に関する貸倒損失の計上については、いくつかのルールがあり、そのルールを満たさない場合には貸倒損失の損金算入が認められないこともあるため、慎重な検討が必要となります。今回は、法人が保有する債権が貸倒れたり、放棄されたりした場合の税務上の取り扱いを紹介します。
「消費税」の取り扱いは?
過去に消費税が課されていた債権について、貸倒れの事実が生じた場合には、当該貸倒債権に係る消費税額を、その貸倒れが生じた期の消費税額から控除することができます。(消費税法39条)
消費税法上の貸倒れの判定については、消費税法施行令59条、消費税法施行規則18条に具体的に定められていますが、上記の法人税法基本通達9-6-1~9-6-3と内容に大きな差異はありません。
しかし、法人税法基本通達9-4-1,9-4-2により計上した子会社に対する債権放棄による損失などについては債権の放棄であるため、あくまで貸倒損失には該当せず、資産の譲渡等にも該当しないため、消費税の控除ができないなど、消費税法上の貸倒損失に関する取り扱いにも留意する必要があります。
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