臨床論文を書く第一歩は「情報のインプット」を増やすことだ。大量の情報を浴びることでその領域の現状が理解できるようになる。しかし、より生産性を高めるためには、いかに情報を整理するかも重要だ。ここではトークアプリ・LINEが実装する「Keepメモ」に着目し、実践的な情報整理術を紹介する。※「医師×お金」の総特集。GGO For Doctorはコチラ

検索機能が弱いため「情報の長期保管」には不向き

「Keepメモ」の課題は検索機能だ。この点ではEvernoteには及ばない。Evernoteは、PDFファイルや、Scan Snapなどを介して取り込んだ画像などのファイルがテキストに変換され、検索が可能になるが、「Keepメモ」には、そのような機能はない。

 

筆者がメモを作成するのは、連載や論文を書くためだ。検索できなければ意味がない。「Keepメモ」は一時的なメモリーとしては有能だが、「長期記憶」として保存するのはEvernoteの方が向いている。

 

筆者は数日に一回、多くは新しい文章を書く際に、「Keepメモ」をEvernoteに移している。とりあえず「Keepメモ」に保管しておいたものの、後になって不要と考えるようになったデータは削除する。最終的に残るのは半分以下だ。

 

残った「Keepメモ」のうち、テキストファイルは手作業でコピー&ペーストし、画像ファイルは重要なところを自分で入力している。そしてEvernoteに移し終えた「Keepメモ」は削除する。

クラウド型サービスの利点を活かしきれていない部分も

筆者はLINEをiPhone、iPad、パソコンで使用しているが、追加したばかりの新しいメモなら「送信取消」をすることで、すべての端末から消すことができる。

 

しかし問題は数日を経過した古いメモだ。時間が経つと「送信取消」という選択肢がなくなり、そのメモを消すには「削除」をするしかない。

 

スマホ上のLINEで「削除」すれば、「選択したメッセージは、この端末のみで削除されます」と出てくる。クラウド上にデータが残り、パソコンやiPadのLINEを利用すると、「削除」したはずの「Keepメモ」が再び登場する。古いメモを消すにはそれぞれの端末で「削除」を繰り返さねばならず不便だ。折角のクラウド型サービスの利点を活かしておらず、早急に是正してもらいたい。

生産性が大きく変わる…「Keepメモ」は使い方次第

筆者が定期的に文章を書くようになって11年が経過した。始まりは2009年の『医療タイムス』と『メディカル朝日』だった。当時は、取材メモをテキストで作成し、Wordファイルで保管していた。このようにして作成したファイルは、現在もパソコンのハードディスクおよびDropboxでクラウドに保管されている。

 

Evernoteを使うようになったのは2011年の東日本大震災以降だ。現在、筆者のEvernoteには、異なるテーマを対象とした640の「ノート」が保管されている。自分にとって重要度が高い情報が選択され、閲覧可能になっている。これが筆者の財産だ。

 

「Keepメモ」が登場し、「ノート」の作成は飛躍的に容易になった。この機能をいかに使うかで生産性は大きく変わるだろう。皆さんにも独自の使用法を確立していただきたい。

 

 

上 昌広

内科医/医療ガバナンス研究所理事長

 

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