前述の肺炎球菌ワクチン接種問題も接種の時に「このワクチンは肺炎球菌による肺炎を予防するものです。でも肺炎は肺炎球菌以外にも様々な細菌により生じます。だから肺炎球菌の予防をしても他の細菌による肺炎を予防するものではないですよ。これまで通り感染予防に注意して下さい」と説明しておけば患者さんの誤解もなかったでしょう。
外来には様々な訴えの患者さんがやって来ます。中にはいつもくどくどとお話しされノイローゼとしか思えないような方もいます。でもそのような神経質、考え過ぎと思ってしまう症状であっても、現実に患者さんはその症状で苦しんでいるのです。どうしたらその苦しみを取ってあげられるのか。そう思うと患者さんの訴えをしっかり聴いてあげることが解決の糸口になります。
※本記事は連載『新・健康夜咄』を再構成したものです。
髙山 哲夫
国民健康保険坂下病院名誉院長
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