超高級老人ホームと見間違える特養が存在する
けれどもこの制度は、法改正によって使用することができなくなりました。さらに、所得だけではなく、財産に関する評価も属性評価に入ってきて、単に低所得だとか無収入だとかいっても、財産が多い場合は安く入ることができない環境になっています。
話を少し特養に戻します。いずれにしても、私の認識では、特養は社会のセーフティーネット、高齢者、とくに低所得者や、家族との関係性が薄い高齢者が生きていく上の必要な老人ホームだと思います。多少、居住性が悪くても、食事が不味くても、高齢者が生きていく必要最低限の支援を受けることができる環境があればよいと思います。
しかし、最近の法改正後の特養はというと、絢爛豪華で、ユニットケアと称する特別に費用のかかるケアを推奨していて、どこぞの超高級老人ホームなのでは? と見間違うぐらいのものも多くあります。いくら属性により割引料金があるとはいえ、もともとの定価が高いので割引後の料金も安くはなく、庶民には高嶺の花になっている特養も多く存在しいます。
ちなみに、特養の定価は、原価の積み上げと運営にかかるコストの合計額を既定の歳月で割り戻して決めますので、費用がかかればかかるほど定価も高くなります。
小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役
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