相続トラブルを回避する有効策、「遺言書」。ここで紹介する加藤家(仮名)は、相続人のひとりが行方不明のうえ、多額の借金まで抱えています。「このまま相続が発生すると、遺産は借金のカタにとられてしまうのではないか?」相続に対する不安は増すばかり。※本連載は、楠部亮太弁護士、中川紗希弁護士、平田久美子税理士ら監修の『失敗しない遺言とお墓のはなし』(税務研究会出版局)より、一部を抜粋・再編集したものです。登場するすべての事例・住所や氏名などはいずれも架空のものであり、実在の人物等とは関係ありません。
相続放棄により、相続税が高くなる可能性
加藤家には相続税はかかりませんが、仮にかかるとした場合、友里さんが相続放棄をしても相続税額は変わりません。相続税は、相続財産から基礎控除額を引いて計算します。基礎控除額が少なくなると、それだけ相続税が高くなる可能性が増します。
この〈基礎控除額〉は次のように計算します。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
相続放棄をする人がいると、人数が減って、基礎控除額も減るのではないかと考える人もいます。しかし、実際は、法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、放棄がなかったものとした場合の数で計算します。ですから、法定相続人の中で相続の放棄をする人がいても相続税が高くなることはないということになります。
楠部 亮太
楠部法律事務所 代表弁護士
中川 紗希
abri(アブリ)新宿総合法律事務所 代表、弁護士
平田 久美子
平田久美子税理士事務所 代表、税理士
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楠部法律事務所 代表弁護士
不動産、事業の承継等、遺言・相続に関する様々な法律相談を手掛ける。
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abri(アブリ)新宿総合法律事務所 代表
弁護士
東京弁護士会 遺言・相続部会所属。遺言・相続の相談やトラブル対応まで幅広く対応している。
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平田久美子税理士事務所 代表
税理士
相続税の申告・相続に数多くの実績がある。相続関連の著書も多数執筆。CFP1級FP
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