「嘘だったの…」ドケチ親父死去。後妻の要求で知った衝撃金額

子どもを持つ人の再婚は注意が必要だ。というのは、入籍することによって再婚相手に相続権が発生し、もともと相続権を持つ子どもとの間でトラブルになる可能性があるからだ。レスラーさん(仮名)の相続も、再婚がトラブルにつながったケースの1つだ。レスラーさんは、60歳で小料理屋の女将さんと再婚。当初、再婚相手であるおかみさんは相続権を放棄していたが、レスラーさんの死後、自分が持つ相続権を主張し、子どもたちともめることになった。※毎年恒例、幻冬舎ゴールドオンラインの相続特集が開幕! 最新情報から大人気記事のピックアップまで、盛りだくさんでお届けします。

なぜお金をもらおうと?後妻の意外な思惑は…

その後、私と弁護士が間に入り、金額の調整をした。幸いなことに、再婚相手は強欲な人ではなかった。何度か話し合いを行い、遺留分を少し下回る1000万円の現金を相続することで決着がついた。次男と長男もその金額で納得した。私は2人の相続税の計算を行い、納税の手続きを手伝った。その際、次男が私にこう聞いた。

 

「ところで先生、再婚相手はなんで急に相続したいと言い出したのでしょうね」「さあね。もしかしたら誰かが入れ知恵したのかもしれないな」私はそう答えた。

 

「入れ知恵ですか」「そう。飲み屋さんには色々なお客がやってくる。その中に相続に詳しい人がいたのかもしれない。レスラーさんが亡くなったと聞いて、相続はどうするのか、もらえるものはもらったほうがいいんじゃないか、そんなことを言われたのかもしれないよ」「それを聞いて、あらためて調べてみたら意外と財産が多かったと」「そう。遺産額が事実と違った点はレスラーさんに非があるわけだが、彼女としては、そんなにあるなら少しもらってもいいだろうと思ったのではないかな」「なるほど」次男は納得したようだった。

 

レスラーさんの財産が1000万円だったなら、再婚相手の受け取り分は500万円ほどだ。それくらいの金額なら放棄してもいい。最初に再婚相手が相続放棄に応じたのは、そう思ったからだろう。彼女は自分で店を切り盛りしている。稼ぐ力があり、貯蓄もそれなりにあるはずだ。そもそも遺産目当てで一緒になったわけでもあるまい。

 

しかし、蓋を開けてみたら5000万円だった。再婚相手の法定相続分は2500万円になる。「そんなにあるなら、少しもらってもいいのではないか」再婚相手はそう考えたのだろうと思った。

 

「女性が1人で店をやっていくのは大変だ。そういった知恵をくれる人も大事だし、お金だってあって困るものではない」「そうですね。まあ、一悶着ありましたが丸く収まってよかったです。いろいろありがとうございました」次男はそういい、頭を下げた。

 

「いいんだよ」「まったく、最後の最後まで手がかかる親父でした」次男はそう言って笑った。

税理士法人アイエスティーパートナーズ 代表社員

東京・浅草生まれ。國學院大學経済学部卒業。日本大学大学院・慶應義塾大学大学院修了。又野税務会計事務所勤務を経て、1975年に独立、税理士髙野眞弓事務所を立ち上げ、多種多様な業種・業態の企業の顧問税理士を務める。事業規模拡大に伴い、2016年6月に税理士法人アイエスティーパートナーズを設立。
40年以上にわたり、「税務のアドバイザー」という枠を超えた公私のパートナーとして、多くの経営者の悩みを解決してきた。特に、骨肉の争いに発展しやすい相続税・贈与税等について、一家の思いに寄り添った提案を行い円満相続に導いている。

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髙野 眞弓

幻冬舎メディアコンサルティング

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