もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

なぜ特別養護老人ホームに空室があるのか

公立老人ホームの代表である特別養護老人ホームとは

 

特別養護老人ホームという「老人ホーム」があります。よく「特養」と呼ばれているものです。特養は、都道府県により多少の違いはあるのですが、一般的には社会福祉法人という特殊法人が運営しているケースが一般的です。

 

小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)
小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)

さらにその昔は、都道府県や市区町村が直接運営に携わっていたこともあります。東京都を例にとると、設立当初からしばらくの間は、都が主体的に運営を行い、その後、社会福祉法人が都の指定事業者として運営を引き受けているケースもあるようです。つまり、特養ホームは学校にたとえるならば〝公立学校〟というイメージではないでしょうか。

 

当然、公立ホームなので、特養ホームへの入居相談窓口は、行政などに設置されているケースが多く、ケアマネジャーがその手続きを代行する場合が多いのです。気になる利用料金は民間の有料老人ホームと違い、入居者の所得や資産などの個別属性に応じて4段階に分かれています。当然、低額所得者の場合は、利用料金は割安に設定されています。したがって、私は、特養ホームは、要介護高齢者のための〝セーフティーネット〟だと考えています。

 

また、メディアの報道で、入居希望者(待機者)が多いことでも有名ですが、実際には待機者どころか、地域によっては空室が多く入居者募集に苦労している特養もけして少なくありません。

 

これは料金設定によるところが多く、多床室と言って、病院のように複数名の入居者が同じ部屋を共有しているようなケースは、料金設定が安くなっていて、待機者が多いという理屈になります。

 

逆に、ユニットケア方式で高級老人ホームのような介護方式をとっている特養ホームは、民間の有料老人ホームと比べた場合、料金的にも高く、競合するので、有料老人ホームと入居者獲得合戦を行い、苦戦しているところも多いようです。

 

 

 

小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

 

 

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