日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、たびたびニュースをにぎわす「いじめ問題」に焦点をあてていきます。

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30人クラスで1件以上の「いじめ」が起きている

そもそもいじめは、文部科学省が定めた定義があり、それに該当したものをいじめと認定しています。このいじめの定義は時代により変化しています。時代に合わせた定義が必要であることから、これまで3度の変更や追加がありました。2013年には「いじめ防止対策推進法」が施行され、そのなかの定義が現在も適応されています。

 

「いじめ」とは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。

「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察に相談することが重要なものや、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものが含まれる。これらについては、教育的な配慮や被害者の意向への配慮のうえで、早期に警察に相談・通報の上、警察と連携した対応を取ることが必要である。

(出所:文部科学省「いじめの問題に対する施策」・「いじめの定義」)

 

前出の文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小・中・高校・特別支援学校におけるいじめの認知件数は61万2,496件で、児童生徒1,000人当たり46.5件です。30人クラスに換算すると、1.395件となるので、1クラスに1件ほど、いじめは存在するというイメージでしょうか。小学校は48万4,545件、中学校は10万6,524件、高校は1万8,352件と、学年が上がるにしたがって減少する傾向にあります。

 

いじめの発見のきっかけは、「アンケート調査など学校の取組みにより発見」が54.2%で最も高く、「本人からの訴え」が17.6%、「学級の担任が発見」が10.4%となっています。また近年増えている、「パソコンや携帯電話等を使ったいじめ」は1万7,924件で、総認知件数に占める割合は2.9%と少ないものの、表面化しづらいという特徴から、実際は数値より多いと推測されます。

 

また重大事態の発生は723件。そもそも重大事態とは、いじめ防止対策推進法第28条に規定されているもの。

 

第二十八条 学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。

一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。

二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

出所:いじめ防止対策推進法第28条

 

法律なので、重大事態の線引きの判断は分かれるところ。同じ不登校であっても、重大事態で処理されるものがあれば、重大事態に当たらないとして見過ごされるものもあるようです。

 

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