経費の判断基準は「業務に関係しているかどうか」
経費はどこまで認められるのか
「賃貸経営に関わる部分で経費になるかどうかの判断の基準は、基本的に『業務に関係しているかどうか』です」
こう話すのは、大家さん専門税理士を標榜する渡邊浩滋総合事務所(東京都千代田区)の渡邊浩滋税理士だ。
例えば、賃貸経営に関するセミナーの受講費、専門雑誌、専門新聞、専門書籍などの購入費は、賃貸経営をしていく上で必要な情報収集に当たるため経費として計上できる。
では、不動産視察についてはどうだろうか。最近は海外不動産に投資する人も増え、海外への不動産視察旅行も珍しくないが、不動産視察旅行には注意が必要だ。時々税務署から「買ってないでしょう。それでは観光旅行とあまり変わらない」と指摘を受けることがあるという。それでも「買わなかった理由を明らかにしたり、視察した証拠となる写真や不動産情報チラシ、訪問した不動産会社の名刺、さらにブログでもいいのですが、視察レポートを書くことで証明することができます」と渡邊税理士。
家族従業員、つまり青色事業専従者とだけの慰安旅行の費用は、単なる家族旅行としての性格が強いものとみなされ、通常の場合、家事的な費用として取り扱われるので、必要経費に算入することはできないという。
名古屋地裁平成5年11月19日判決において、「サラリーマンの家族が行ういわゆる家族旅行と異なるものではない」として必要経費を否定されている。
永井ゆかり
「家主と地主」編集長
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