2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの中小企業が苦境にあえいでいます。なかでも飲食店は、度重なる休業要請などにより、倒産件数も増加しています。そんななか、緊急事態宣言明けの6月には黒字に戻ったという飲食店もあります。両社の違いはどこにあるのでしょうか?※本連載では、企業再生のスペシャリストである坂本利秋氏が、中小企業が経営難を乗り切る方法を解説していきます。

 

――すべての補助金、助成金などを企業存続のために使い切りましょうと、いつも中小企業の経営者に言っているのですが、まさにその通りの行動ですね。でも補助金もいつか終わりますよ。どうやって行くのですか?

 

「補助金だけじゃないよ。経費で一番大きい人件費を見直した。目標は、前年同月比の売上80%でも利益がでるに設定した。と言っても、給与や時給を下げたわけではないよ。店の繁閑を細かくチェックして、余分な人員が店内にいないように調整し続けたんだ。そのおかげで、9月には80%の売上高でも利益がトントンになるレベルにはもっていけた。まあ9月も70%の売上だから営業赤字ではあるんだけどね」

 

――これまた、お手本のような経営ですね。コロナ禍で融資、補助金を目いっぱい使いつつ、その間に経営改善をするなんて。早く売上高が80%に戻って営業赤字になるといいですね

 

「いや、もう営業黒字になったんだよ。10月は90%程度で、11月は100%を超えそうなんだ。

 

なんでかって? Go To トラベルの地域共通クーポンとGo To イートにすぐに登録したから。当初は地域共通クーポンの登録店が少なくて使い勝手が悪かったでしょ。うちはおそらく最初に登録したんだろうね。しばらく【地域共通クーポン】【都内のある地名】で検索すると、うちが一番上に表示されてたんだ。だからお客さんが一気に戻った。

 

11月に入ってGo To イートの効果も出始めているから、売上高も昨年比で100%を超えそうだよ。ほら、80%でも利益出る体制にしたでしょ、だから11月は過去最高の営業利益を出そうなんだよね。ほんと、Go To さまさま!」

 

――いや、さすがです。言うことありません。皆さん登録はしていますが、ここまでのスピード感はないですね。早いと営業上でもメリットがあるんですね。良いお話が聞けて良かったです。ところでFacebookの中小ビジネス助成プログラムってご存じですか? 25万円の補助金と15万円の広告クレジットで使える総額40万円の

 

「いや知らない。そういうのは早く言ってほしいなあ。じゃ、ここは坂本さんのおごりだね」

 

――ははは、喜んで

 

これはお名前を除いて、すべて実話です。この会話には、コロナ禍で苦しむ中小企業の生き残り策・再生策が詰まっています。

 

・支援策をもれなく捜し出す
・一刻も早く支援策の申請を行う
・その間に経営改善を行う

 

近松さんは、上の3つがすべてできる稀有な経営者でした。経営者の時間は有限です。「こまではできません」というのなら、外部の力も借りながら、コロナ禍を乗り越えていきましょう。

 

 

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