相手への報復のために、親権や監護権で争うケースも…
親権や監護権をめぐる争いは、子どものためではなく、相手への報復のために起こることが実は少なくありません。
子どものことにとどまらず、離婚問題のご相談を受けていると、親権、養育費、財産分与といった法律的な結論にとどまらず、「相手に自分の正当性を認めさせたい」という要求が強くなってくる方は多いです。
でも、離婚に向けての話し合いをするなかで、相手が「あなたが正しい、私が悪かった」となることはほとんどありません。夫婦関係の信頼関係はすでに崩れ、関係解消を一方が求める段階なのですから。その話ができるなら、離婚に至らずすむのでしょう。
最初はシンプルに「別れさえすればいい」「子どもさえいれればいい」そう考えてご相談に来られても、「相手に~を認めさせたい」「相手に報復をしたい」という希望が強くなっていくと、次第に自分が「何をしたいのか」がわからなくなってしまい、手放せなくなってしまうのでしょう。
離婚は、避けられない最後の決断です。
「あなたにとって一番大事なのは?」
「これからの人生、再スタートを切るためには何が一番必要?」
そう、前向きに考えると、自ずと答えは出てくると思います。相手に過去の修正を求めるのではなく、一歩を踏み出せる選択ができるなら、満足がいく結果が得られるのではないでしょうか。
水谷 江利
世田谷用賀法律事務所 弁護士
【関連記事】
税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】