損益計算書のまとめ
ここまでの話をまとめてみましょう。
<P/Lとは?>
●収益は、企業が事業を行って生み出した成果が記載される。
●費用は、収益を生み出すために要した努力が記載される。
●利益は、収益―費用で算出される。
●P/Lは、「収益」「費用」「利益」の3つから構成される。
●P/Lは、特定期間における会社の経営成績を表す。また、その成績表から、会社が利益を獲得するために、どのような努力をしたのかを読み取ることができる。
「(P/L)」だけで業種がわかりますか?
Q. これはどの業種のP/Lでしょうか?(図表15)
<ヒント>
●それぞれのビジネスで、どのような原価と販管費が発生するかを考えてみましょう。
●損益計算書の費用は「企業の戦略」が反映されます。たとえば、同じ原価の商品でも単価が高い商品の場合、原価率は下がります。一方、単価が低い場合は原価率が上がります。このように、値付けの仕方によっても原価率は変わります。
●販管費の大きさにも、企業の戦略が反映されます。たとえば、営業を多く雇って販売する戦略を取る企業は「人件費」が大きくなりますし、テレビCMを沢山打つ企業は「広告宣伝費」の項目が大きくなります。
正解は…
正解は、②化粧品です。これは化粧品メーカーの資生堂のP/Lでした(※2017年12月期における資生堂のP/L数値を使用)。
化粧品は原材料の大部分が水なので、かなり原価が安い一方、新商品が頻繁に出たり、競合商品が多かったりと、広告・マーケティングに力を入れないとなかなか売るのが難しい業種でもあり、必然的にテレビCMやWEB広告にお金をかける企業が多くなります。
そのため、原価が少なく、販管費が大きくなるという特徴があるのです。
(※本記事に掲載の情報は特段の注や付記がある場合を除き、2019年12月書籍執筆時点での各社決算書情報を参照しています。)
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