給与所得から一定の金額を控除する規定が、今年度の年末調整より適用されることとなりました。収入の状況や所得の内容等により、確定申告で適用する場合と年末調整だけで適用できる場合があるので、自身が該当するかどうか、知っておく必要があります。今回は、税理士法人田尻会計の税理士・古沢暢子氏が「所得金額調整控除申告書」について解説します。

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再調整に該当するのは、以下のような場合が考えられます。

 

①給与収入を850万円以下と見積っていたため、所得金額調整控除申告書の記載をせず年末調整を行ったが、実際は給与収入が850万円を超えており、適用要件を満たしていた

②23歳未満の子どもが、扶養親族の所得要件(合計所得48万円以下)に該当することとなった、年末に子供が生まれた等により、年末調整後に扶養親族の異動があり、適用要件に該当することなった

制度を使用する際に注意すべきことは?

給与収入がどちらも850万円を超える共働きの夫婦に、23歳未満の扶養要件を満たす子どもがいた場合、「所得調整控除(子ども等)」は夫婦どちらにも適用することができます。どちらか一方のみに適用のある扶養控除制度とは異なりますので、注意が必要です。

 

また、平成22年より所得税の計算においては、年齢16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)に対する扶養控除が廃止されていますが、所得金額調整控除制度においては、16歳未満の年少扶養親族にも適用があります。「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の下部にある「住民税に関する事項」に16歳未満の扶養親族を記載している方は、必ず確認をするようにしましょう。

 

所得金額調整控除は令和2年分の所得税において新設された制度です。納税者も年末調整をする会社側もまだ制度自体に慣れておらず、申告もれや計算の誤りによる適用もれが発生する可能性があります。

 

令和2年分の源泉徴収票をもらった時に、給与収入が850万円を超えており、かつ、子ども等の扶養親族がいるなどの要件に該当する方は、制度適用の有無を再度確認して頂くのが良いかもしれません。
 

 

 

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