経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)から一部を抜粋、再編集した原稿です。

解約して新しい入居者募集も簡単にできない

また、この残置物と呼ばれる、入居者が夜逃げなどで置いていった家具や家電、その他の荷物は間違っても勝手に捨ててはいけない。夜逃げして連絡が取れないままの入居者だったとしても、前出の「残置物放棄書」を取り交わしていない場合は、ある一定の期間保管しなくてはいけないのだ。

 

以前、知識がない家賃債務保証会社の担当者が、残置物を勝手に捨ててしまい、後から元入居者に損害賠償を請求されたケースを聞いたことがある。滞納された上に、知識が不足していたために、さらに損害賠償を滞納者に支払うほど馬鹿らしい話はないだろう。

 

ステップ(5)
明け渡し請求訴訟の準備

ステップ(4)までの手順を踏んでもなお、契約解除の予告通知書に記載した期日内に滞納賃料の支払いがなく、退去にも応じない場合がある。その場合は「不動産の明け渡し請求訴訟」の準備に進むことになり、司法書士や弁護士などの専門家に対応を依頼する。

 

以上のような手順で滞納の対応をすると、基本的には半年ほどの時間がかかる。入居者が滞納した家賃を支払わず、また新規募集もできない半年間は、家主にとっては大きなロスとなる。家賃という家主業にとって大事な収入源であるのに、入居者から滞納した家賃を回収することも、解約して次の新しい入居者を募集することも簡単にはいかないのだ。

 

永井ゆかり
「家主と地主」編集長

 

 

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

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永井 ゆかり

プレジデント社

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