「なんですか?」発達障がいの中学生が、理解できなかった質問

発達障がいについて語られることが多くなった昨今。本記事では書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「こころの問題」をひも解いていきます。

NEW 【オンライン開催(対話型セミナー)】
【医師限定】
勤務医のための「はじめての不動産投資」
詳しくはこちら>>>

 

NEW 【特別企画】
富裕層のための「寄付・遺贈寄付特集
詳しくはこちら>>>

子どもの自尊心を守る

発達障がいの症状を悪化させる大きな原因の一つに、自尊心の低下があります。自尊心の低下を防ぐためには、早い段階で、発達障がいによって引き起こされる症状を改善してあげることが大切です。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

乳幼児や小学生だけでなく、中学生やそれよりもっと上の年齢のお子さんも、私のクリニックにはやってきます。非行などの問題行動のあるお子さんも来ますが、周りからちょっと変わった子だと思われてはいても、頭も良く特に大きなトラブルを起こすこともなく、一見なんの問題もないようなお子さんも訪れます。

 

E君もそんなお子さんの一人でした。中学2年生のE君はドアをノックして、私が「どうぞ」と言うと、丁寧に一礼して入ってきました。

 

「E君だね、こんにちは」

「こんにちは」とお辞儀して挨拶を返してきます。

 

よく躾けられている、きちんとしたお子さんだと感じました。もしみなさんがその場に居合わせたら、こんないいお子さんがなぜ相談しに来たのか不思議に思うかもしれません。

 

私にはすでに、母親が待合室などでの待ち時間を使って答えた問診票の情報が手元にあり、それを見ると自閉スペクトラム症の診断基準を満たしていました。そのため、少し話してみて、「あっ高機能自閉スペクトラム症のタイプだ」と私は心の中で思いました。

 

E君は年齢不相応に丁寧に挨拶し、言葉遣いも丁寧で、ほとんどの会話で、「ですます調」で喋ってきたのが引っかかったのです。こう言うと、「では丁寧に話す人はみな自閉スペクトラム症なのですか?」と質問する方がいますが、あくまでも自閉スペクトラム症の問診票が基準です。興味の偏りやコミュニケーションのとり方から読み取った上での判断です。

 

「何年生?」と尋ねると、「2年生です」と少し声がひっくり返った感じですが、ですます調で丁寧に話します。

 

「何中学かな?」

 

 

筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医 博士(医学) 

1959年、東京都生まれ。小学1年〜3年まで米国ハワイ州ホノルルの現地校へ通い、中学・高校は東京の私立暁星学園で学ぶ。 1985年、秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。 いばらき発達障害研究会世話人。東京都専門機能強化型児童養護施設事業非常勤医師。 2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。院長。

著者紹介

連載新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧