本記事では、週6日遊びながらも会社を成長させ、70億円の資産を築いた筆者が、「社長が遊ぶほど会社が儲かる」理由と仕組み、「遊びのメソッド」について解説します。今回は、本業の調子がよい時にこそ本気で新事業に取り組むべき理由について見ていきます。*本記事は、谷田育生氏の著作『社長が遊べば、会社は儲かる ―週6日遊んで70億円の資産を築いた経営者のストーリーー』より一部を抜粋、再編集したものです。

本当に有益な情報は「インターネット」にはない

筆者は、新規事業の開拓として手掛けたM&Aも、不動産事業も、損を出すことなくここまで歩んで来ることができました。その裏には、筆者なりの投資の基準があります。まずは、M&Aをする場合、できるだけ高い会社を買うということ。

 

本書(『社長が遊べば、会社は儲かる ―週6日遊んで70億円の資産を築いた経営者のストーリー―』)第1章で紹介した料亭などの一部の例外を除き、基本的には価格の高い会社しか買ってきていません。

 

逆から見ればその理由がよくわかるのですが、価格が安い会社というのは、利益体質になってはいません。それを利益が出るように変えていくのは、投資ファンドや銀行の投資部門など、企業再生の専門家でなければ難しいものです。筆者は専門家ではありませんから、企業の価値を大きく上げることはできません。ですから、最初からきちんと利益が出る体質であり、手堅くプラスになると思えるような価格の高い会社を買うようにしているのです。

 

また、M&Aでも不動産投資でも、銀行の力をうまく借りるようにしています。たとえば不動産なら、興味のある物件の情報を、融資してくれそうないくつかの銀行に送ります。銀行には貸し出しを増やしたいタイミングというのがあります。それに合わせて打診をすると、それぞれがプロの目で査定したうえ、プランを出してくれます。この情報の精度は多くの場合、高いものです。なぜなら、筆者が大きな損を出せば借金を回収できない可能性があり、銀行としてはそのリスクをできるだけ下げたいため、事前に全力で査定してくれるのです。

 

投資で最も重要なのが、情報です。投資をするか、しないか、という結論に至るまでの情報収集の質の高さが、成否を分けます。有益な情報は、もちろんインターネットには上がっていません。本当に価値がある情報を持っているのは、ごく一部の人たちであり、それを表には出しません。「この人なら」と思えるような信頼できる相手だけに対し、初めて情報を明らかにしてくれます。

 

ただ仕事でつながっているだけの相手に、とっておきの情報を回す人はまずいないでしょう。それよりも、自分が信頼し、応援したい人にこそ、情報を伝えたいと思うのが自然です。そうした信頼関係は、仕事ではなく遊びのなかで生まれ、育まれているものです。遊びにより「本物の人脈」をつくってきたからこそ、筆者は投資で勝ってこられたのです。

「ただ一緒に楽しく過ごすこと」が真の人脈作りになる

筆者は、遊びのなかで意識的に人脈づくりを行ったことはありません。遊び仲間には、有力者も何人もいますが、彼らと知り合った段階で「付き合っておけば何かいいことがありそうだ」「仕事に利用できるかもしれない」などとはまったく考えません。知り合って、飲んで、ただ楽しい時を過ごす。それだけです。

 

遊びで知り合う人々を、仕事につなげようとは思わないこと。やや逆説的ですが、この意識を忘れぬのが、非常に大切です。遊びが上手な人ほど、遊びの場で初めから仕事を持ち出すことを「無粋」ととらえます。仮にそういう話が出るとしても、それは遊びがきっかけで友人となり、互いに信頼関係を築いてから自然と出るものです。

 

以前話したパチンコ景品事業についても、あくまで信頼のおける友人という関係だったからこそ、筆者に声がかかりました。命がけでお互いを助け合うという船上での経験で、信頼が強固なものとなった後のことです。

 

そうして、「一人の人間」として、つながっているネットワークこそ、本物の人脈と呼べるものです。経営者、政治家、弁護士といった肩書きはまったく関係なく、互いに尊敬できる、互いを認め合える、というように、人としての価値観を根底に置いたつながりといえます。

 

同じ趣味や同じ楽しみが好きであることは、本物の人脈を作っていく上での「入り口」となります。もっと話していけば、共通点がさらに多く、類似した価値観を持っていることに気づくこともあるでしょう。だからこそ、仕事よりも遊びで出会う人のほうが、本物の人脈になりやすいのです。

 

結果論からいえば、信頼でつながった相手がたとえどんな仕事をしていようが、互いに役立つポイントは必ずあります。仕事というのは、どんなに違うように見える業界であっても、どこかでつながっている。筆者はそれを体感してきました。

 

最初から「仕事で役立つかどうか」で人を判断するのは、自分の新たな可能性を大きく狭める行為に他ならないのです。それではせっかく遊びに出ている意味がありません。まずは仕事を忘れ、自分がひたすらに楽しく過ごせる仲間を築いてほしいと思います。

 

[図表]世界の美女に囲まれて
[図表]世界の美女に囲まれて

「逆」を行くことが新たなビジネスの原動力になる

経営者としての在り方も、投資に関しても、筆者は常に「理想の経営者」とは逆のことをしようと考えてきました。たとえば、高級クラブでいつも意識しているのは、ちやほやされないようにする、ということです。そのために、わざとスニーカーを履いて行ったりします。

 

もちろん、お金はしっかり落とします。それなのに、ふんぞり返って飲むこともなく、なんだか変なことばかりしている。そのほうが記憶に残りやすいですし、話しかけやすいでしょう。それが、「親しみ」というものです。

 

いくらお金を使ったところで、偉そうにして飲んでいれば、クラブの女性たちからは愛想しか出てきません。ちやほやされて喜んでいるうちは半人前。人としての本音を話してくれるようになったら一人前。筆者はそう思っていますし、そうして立場を超えた人間同士の会話ができて初めて、クラブという場が一気に面白くなってきます。

 

投資にしても、人と同じことをしていて、大きく儲かるはずがありません。競馬で、オッズ1.1倍の馬に賭け続けるようなものであり、現在ある事業ならともかく、新規事業においてもそれを求めてしまっては、始める意味はありません。

 

リスクはあるけれど、当たれば一気に大きく儲かることを狙う、というのが、事業を起こす醍醐味でしょう。そうして個人ではできないような大きなビジネスをしかけていけることこそ、経営の大きな楽しみではないでしょうか。

 

人の逆をいくと、最初からうまくいくというのはほぼありません。しかし続けているうちに、人とは違った視点、逆をいくことでしかわからなかった新たな世界が広がっていきます。それが、ひいては自社の事業の差別化や、新たなビジネスを生み出す原動力となるのです。「人の逆をいく」ことを、いきなり事業で実践するのが難しいと感じるなら、まずは遊びのなかで、実践してみてはどうでしょう。

 

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社長が遊べば、会社は儲かる ―週6日遊んで70億円の資産を築いた経営者のストーリーー

社長が遊べば、会社は儲かる ―週6日遊んで70億円の資産を築いた経営者のストーリーー

谷田 育生

幻冬舎メディアコンサルティング

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