地方のガソリンスタンドはどんどんつぶれていきました
ガソリンスタンド業に関しては、運送業から紐づいて始めたものです。1995年あたりを境に、地方のガソリンスタンドはどんどんつぶれていきました。現在でも事業所の数は右肩下がりが続いています。
運送業を続けるなら、どうせガソリンを入れねばならないのですから、「いっそのこと買ってしまおう」という決断をしました。確かに業界的には下火でしたが、その分安く買えましたし、自社の車の給油スタンドとしての役割を担わせれば、利益が出ると考えました。
ただし、不安要素はありました。ガソリンの仕入れ値というのは、一介の業者がいくら努力したところで、変わるものではありません。値段は世界のオイルマネーにより大きく上下し、それが事業の業績に直結してきます。
そのリスクをなんとかするため、筆者はひとつの勝負にでました。WTI原油先物取引で、向こう10年同じ価格で取引する契約を結んだのです。
WTIとは「ウエスト・テキサス・インターミディエート」の略で、西テキサス地方で産出される、硫黄分の少ない高品質な原油のことを指します。そしてWTI先物取引は、原油価格の代表的な指標であり、取引量と市場参加者が圧倒的に多く、市場の流動性や透明性も高いため世界経済の動向を占う重要な経済指標のひとつにもなっています。
原油価格は、世界情勢で大きく変動します。向こう10年同じ価格であることなど、まずありません。もし原油の値が暴落すれば、ガソリンスタンドはつぶれ、運送業にも影響がでるのは必須でした。当時の原油価格は、1バレルあたり29ドル。筆者は、「今後原油価格は上がる」と読んで、10年契約に踏み切ったのでした。
結果的には、原油価格は1バレルあたり100ドル前後まで伸び、5億円の利益が出ました。これは、リスクを取ったからこそであり、その利益が運送業や大手ガソリンスタンドとの競争力の源ともなりました。
なお、こうした勝負勘は、ギャンブルを通じて身につけたものです。また、大胆な挑戦はリスクを伴いますが、そのリスクを取れる度胸というのは、いきなりは身につきません。さまざまなトラブルを経験して初めて、胆力がついてきます。遊びの中で、トラブルを解消する経験を積んでいると、こうした肝心の場面でも物おじせずに勝負に出る、鋼の精神を得られるのです。
そして、自分がピンときたら、それに従って行動したほうが、いい結果が待っていることが多いのです。人生においても、行動しなかったことを悔やむより、行動して失敗し、それを次の成功の糧とするほうが、より実りがあるでしょう。
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