重婚的内縁は「法的に保護されるものではない」けど…
3 婚外子の母の生活費の扱い
まず、夫は(当然ですが)妻との婚姻関係を維持しているので、夫と女性Bの同居は重婚的内縁といえます。夫と女性Bとの関係は、少なくとも交際の当初は不貞(不法行為)に該当するものでした。法的に保護されるものではないと考えられるので、内縁としては扱わない、つまり、婚姻費用の計算において扶養義務者として扱わないこととなりました。
なお、夫側の主張する婚姻費用の計算では、内縁の妻Bの生活費指数を100としていました。仮に、夫婦関係の破綻後の内縁関係として法的に保護する場合であっても、夫とBは同居しているので生活費指数は100よりは若干下げた数値を設定することになったはずです。
4 婚外子の生活費指数の設定
次に、Cについては、誕生した経緯として不貞に起因していますが、C自身の扶養に不利益を与える(保護を排除する)ことは正当化できません。そこで、Cの扶養義務は、婚姻費用の計算に反映させることにしました。生活費指数は標準的な55を用いました。
三平 聡史
弁護士法人みずほ中央法律事務所・司法書士法人みずほ中央事務所 代表弁護士
【関連記事】
税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】