婚姻中に行われる夫婦間の契約は、婚姻中原則として取消可能状態にあるため、夫婦間の取り決めについて契約として拘束力を持たせるためには、入籍日よりも前に契約を締結する必要があります。効力の有効性担保や保全の観点からは公正証書化することも重要です。公正証書化までのプロセスを見据えて、超特急で内容を決めていくにしても入籍日の1ヵ月前くらいからは着手しなければなりません(時期を逃すと夫婦財産契約としての効力が生じなくなる恐れがあります)。そこで、本連載では、富裕層や芸能人を中心に最近注目を集めている夫婦財産契約について、弁護士であり、プライベートバンカーライセンス(富裕層向けコンサルタント資格)を保有する岩崎総合法律事務所の岩崎隼人弁護士がQ&A形式で解説していきます。

夫婦財産契約…締結するメリットとは?

Q.企業経営者・富裕層が夫婦財産契約を締結するメリットは何ですか?

夫婦財産契約を締結していなかった場合、たとえば以下のような財産について、その半分を喪失する可能性があります。

 

●婚姻前の財産や相続財産だったが、婚姻費用と混在させてしまった財産
●血のにじむような努力により成長させた会社の株式、上場した場合の株価上昇分
●才覚を生かして獲得した多額の株式売却益
●自身のネットワークとノウハウを生かして開発、取得した超高利回りの不動産

 

夫婦財産契約を締結していた場合、上記問題に対処可能です。

 

Q.夫婦財産契約の作成方法を教えてください。

夫婦財産契約は、入籍日よりも前に締結する必要があり、婚姻後は原則として変更できない点に注意が必要です。

 

作成方法に法律上の決まりはありませんが、合意内容を明確にする必要性から、以下2つの方法の中から選択して締結することになります。

 

私製証書:当事者間の私製の合意書に署名捺印して作成
公正証書:当事者が公証役場へ出頭して公証人をとおして作成

 

効力の有効性担保や保全の観点からは公正証書化をお勧めしますが、公正証書化までのプロセスを見据える場合、超特急で内容を決めていくにしても入籍日の1か月前くらいからは着手しなければなりません。合意内容によっては、私製証書のみを作成する場合も、両方とも作成する場合もあります。

 

 

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