日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、ブームが続く「高級食パン」に注目していきます。

高級食パンはどこで売れている?

ブームが続く食パンですが、そこには地域性がみられます。総務省による「家計調査」(県庁所在地ランキング/2017~2019年平均)から紐解いていきましょう。

 

まずジャンルを問わず、パンを最もよく食べているのは「滋賀県大津市」で56,313g。続いて「大阪府大阪市」で56,215g。「岡山県岡山市」55,932g、「兵庫県神戸市」53,671g、「京都府京都市」53,640gと続きます(図表1)

 

出所:総務省「家計調査」(県庁所在地ランキング/2017~2019年平均)より作成
[図表1]県庁所在地別「パンの消費量」ベスト10 出所:総務省「家計調査」(県庁所在地ランキング/2017~2019年平均)より作成

 

一方でパンを最も食べないのが「福島県福島市」で32,820g。1位の大津市の約6割ほどの消費量です。さらに「山形県山形市」「沖縄県那覇市」「秋田県秋田市」「青森県青森市」と続きます。

 

米の消費量をみてみると、最も米好きなのは「北海道札幌市」で81.8kg。「静岡県静岡市」79.5kg、「福島県福島市」75.91kg、「福井県福井市」75.34kg、「山形県山形市」75.25kgと続きます。

 

一方で最も米を食べないのが「岡山県岡山市」で51.04kg。「東京都区部」「兵庫県神戸市」「福岡県福岡市」「茨城県水戸市」と続きます。

 

東北勢をみてみると「岩手県盛岡市」が第6位、「青森県青森市」が第7位と続くので、「やはり米どころの東北勢はお米が大好きなんだ」と思うでしょう。しかし「秋田県秋田市」は59.28kgで34位、「宮城県仙台市」は58.20kgで39位と、一概に米どころ=米食が多いとはいいきれないようです。

 

パンの消費量と米の消費量、相関係数は「-0.33」と緩やかな相関関係にあります。「米を食べる代わりにパンを食べる」「パンを食べる代わりに米を食べる」という関係にあります。

 

では、食パンにフォーカスをあてていきましょう。パンのなかでも最も食パンを食べているのが「鳥取県鳥取市」で24.682g。「愛知県名古屋市」「大阪府大阪市」「兵庫県神戸市」「奈良県奈良市」と続きます。鳥取市はパン全体の消費量では第9位で元々パン好きの市といえますが、なかでも「朝は食パン文化」の傾向がより強いことがうかがえます(図表2)

 

出所:総務省「家計調査」(県庁所在地ランキング/2017~2019年平均)より作成
[図表2]県庁所在地別「食パン消費量」ベスト10 出所:総務省「家計調査」(県庁所在地ランキング/2017~2019年平均)より作成

 

一方で最も食パンを食べないのが「福島県福島市」で13.521g。「秋田県秋田市」「沖縄県那覇市」「宮崎県宮崎市」「宮城県仙台市」と続きます。「パンも食べないのだから、食パンも当然食べない」という顔ぶれです。

 

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