配信エリアを細かく区切ることでターゲットを絞る
インプレッション課金では、下手な運用をするとすぐ広告料金が跳ね上がってしまいます。セグメントの切り方が甘いと表示されてもクリックされません。そのために多くのクライアントが、DSPは費用がかかるだけで効果がないという印象を持ってしまっています。
しかしセグメントを切ってターゲットを絞り込んであれば、狙った層の人に届くのでちゃんとクリックしてくれます。
ターゲティングの精度を上げるには、そのターゲットが例えば、どんな職業で、どのくらいの年収か、仮説を立ててみることです。富裕層の中でもこんな仕事をして、これくらい稼いでいる人だろうと想定し、それに合わせて細かく設定をすると精度が上がります。もちろん仮説がすべて当たるわけではないので、うまくいかなければもう一度仮説を立て直して再び挑戦します。
できるだけ細かくセグメントを切る
ターゲットがこういう人たちだろうという仮説を立てるには、そのために情報収集をする必要もあります。
セグメント設定では、配信エリアを細かく切り分けることができます。しかし東京都に住んでいる人にネット広告を出す場合、ほとんどの広告代理店は「東京都」という当たり前のエリア設定しかしていません。
私はセグメント設定をするときには、東京都の中でも細かくエリア別に設定します。公共団体や調査会社などが出している調査報告書を見ると、東京23区別の世帯年収ランキングなどが載っています。するとそれをもとに高所得者や資産家が一番多いのはここ、その次はこのエリアと推測できます。
そのデータをもとに、たとえば高級マンションを販売するなら港区、世田谷区、目黒区、中央区、千代田区というホットエリアだけに配信します。それ以外の地域は、クリックがあってもほとんど成果につながらないので広告が表示されないようにしてしまいます。このようにピンポイントの配信をすると無駄がなくなり、質の高いプロモーションになっていきます。
私はお台場にショールームを持つ高級家具の販売店で来場案内の告知をしたときに、エリアの絞り込みをしました。ベッドやダイニングセット一式で20万~30万円という商品がメインなので、やはり高所得者がターゲットになります。以前はエリアを限定していなかったため、お台場へは交通の便が悪くてとても来そうもない人もクリックしていました。
そこで購買につながらないと想定したエリアは避け、一方では過去の来場データも参考にしながら配信エリアを決めました。具体的には港区、江東区、品川区、隣の千葉県で平均所得が高い浦安市、クルマのアクセスがいい川崎市や横浜市などです。細かくセグメントを切って配信設定したことで、費用対効果が改善され、効率良く来場者を集めることができました。
ディスプレイネットワーク広告もDSPも、うまく運用すれば、むしろコストを抑えることができます。ただその分、セグメントを切るなどの手間がかかります。そこまでやってもらえる広告代理店であればいいのですが、細かくセグメントして欲しいと頼むといやな顔をするところだと、良い結果は得られないでしょう。
後藤 晴伸
後藤ブランド 社長
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