実は認知症のタイプにより症状や経過が少しずつ異なり、経過も治療も予後も介護の仕方も違ってきます。正しい診断を受けているか判断するためにも、認知症についての知識を深めておく必要があります。今回は、医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長の梶川博氏、医学博士である森惟明氏の共書『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、「血管性認知症」​について詳しく見ていきましょう。

病気の発症には「生活習慣」が大きく関係している

予防は生活習慣の改善などで可能です。脳梗塞や脳出血などによって起こる認知症の危険因子は、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)、運動不足、肥満、食塩の過剰摂取、飲酒、喫煙、糖尿病、心疾患(不整脈など)などです。つまり、生活習慣が病気の発症に大きく関係しています。

 

心疾患のうち塞栓性脳梗塞を来す最も多くて危険性が最も高いのは心房細動という不整脈です。その他、奇異性脳塞栓症といって右→左シャント疾患(卵円孔開存、心房・心室中隔欠損、肺動静脈瘻など)で塞栓症脳梗塞を起こし得ます。

 

心房細動は突然重症の卒中(半身麻痺、失語、意識障害など)を発症する危険性だけでなく、本人も周囲の人も気づかないような小さな梗塞が度重なって血管性認知症になっていきますので、早期の発見と治療(カテーテルアブレーションなど)が必要です。治療は、薬と身体活動を高めるリハビリが主体です。

 

介護で注意点は、脳血管障害の再発予防に努める、自発性低下や廃用症候群になりやすいのでデイケアやデイサービスなどを利用して活動性を高める、嚥下障害や歩行障害を伴うことが多いので誤飲・誤嚥・肺炎や転倒を防止するなどです。

 

注意:本書で紹介している治療法等は、著者が臨床例をもとに執筆しております。万一、本書の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。 また、本書に記載している薬剤等の選択・使用にあたっては、医師、薬剤師等の指導に基づき、適応、用量等は常にご確認ください。

 

 

※本記事は連載『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』を再構成したものです。

 

 

梶川 博
医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長

 

森 惟明
医学博士

 

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改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法

改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法

梶川 博、森 惟明

幻冬舎メディアコンサルティング

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