いつの時代もなくならない相続トラブル。特に、故人の財産に不動産が含まれる場合、納税の際に大きな問題が発生してしまいます。そこで本記事では、『円満相続をかなえる本』(幻冬舎MC)より、具体的な事例と解決策を紹介します。

相続ではお金を超えて「人間関係」の問題が表出する

遺産分割や遺留分侵害額請求等のご相談で、依頼者様と利害が対立する相手方が存在しているような場合、当然、私は依頼者様の利益を重視して各種のご提案をするようにしています。しかし、この場合の利益には、経済的なものだけではなく、人間関係の面も含まれます。依頼者様の主張によって、相続が円満に解決することもあれば、大きな争いに発展してしまうようなリスクがあることも説明しながらご提案をするよう、心がけています。

 

遺産分割を巡る裁判において、一方が自身の主張の正当性を証明するために不動産鑑定評価を依頼したとき、相手方もそれに対抗して不動産鑑定評価を依頼し、今度はお互いの不動産鑑定評価の内容に関する争いにまで発展し、結果として争いが大きくなり、解決までの期間が長期化することがあります。相続問題を解決するために利用されるべき不動産鑑定評価が、かえって問題を複雑化させてしまうことがあるのです。

 

そのような意味においては、相続問題のご相談を受ける不動産鑑定士も、ある種の責任を負うことになるため、案件の受注にあたっては慎重であるべきと考えています。

 

お父様、お母様がお亡くなりになった際に、相続人であるお子様方が遺産を巡って争うのではなく、互いに譲り合い、協力して相続問題に取り組むことこそ、最後の親孝行といえるのではないでしょうか。

 

 

森田 努/近藤 俊之/島根 猛/石川 宗徳/佐藤 良久/幾島 光子

 

本記事は、2017年9月22日刊行の書籍『円満相続をかなえる本』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、予めご了承ください。

円満相続をかなえる本

円満相続をかなえる本

石川 宗徳,森田 努,島根 猛,佐藤 良久,近藤 俊之,幾島 光子

幻冬舎メディアコンサルティング

「対策が難しい相続」に悩む人に向けてプロフェッショナルが事例とともに分かりやすく解説。大切な資産と人間関係の守り方教えます! 「相続登記と遺言を行なうメリットってなんだろう?」「相続した不動産、売るべき?売ら…

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