近年、わが国では高齢者の孤独死が大きな社会問題となっています。65歳以上は人口の約25%、さらに一人暮らしの高齢者は高齢者人口の15.6%を占めるなか、誰もが「孤独死」に備えておく必要があると言えます。本記事では、ダイヤモンドプリンセス号の除染作業に従事した、特殊清掃のプロ集団である「特掃隊」の連載「HOW TO コラム」より、「特殊清掃保険」に加入するメリットを解説します。

孤独死保険は万能ではない!注意すべきポイント

孤独死が発覚して、現場検証時に警察は最低限見つかった貴重品類を回収してくれますが、こうした保険証券を確実に見つけてくれるとは限りません。筆者の経験上、過去に孤独死保険の保険証券を警察が回収していたケースは1件だけでした。故人が賃貸契約書と保険証券を一つのファイルにまとめ、部屋の分かりやすい場所に置いていた時だけでした。

 

ご遺族の方は物件の管理会社に「故人は特殊清掃をカバーしてくれる保険に入っていましたか、もしくは大家さんが加入されていますか?」と確認しなくてはなりません。是非覚えておいてください!

 

遺族を救うはずの孤独死保険なのですが、加入していた事に誰も気が付かなければそこまでなのです。これが孤独死保険の怖い所であります。

管理会社や大家さんが保険加入を教えてくれないことも

実はこの孤独死保険、不動産管理会社などの方から「契約時にこういう保険に入っていましたよ」と教えてもらえることは多くありません。

 

以前に比べれば伝えてくれるケースは増えましたが、理由として、

 

・大きな不動産管理会社だと、社内で賃貸契約や保険の取り扱いのセクションが異なっているため、横の連携が不十分でご遺族様に保険の存在を伝えられない状況になっている。

・不動産管理会社も保険について理解が深くなく、なんとなくで契約をしてもらっているケース。

・生命保険等と異なり、この保険契約について専属の担当がいるわけではない為、人事異動等で情報が共有されていない。

 

こうしたことが数多くある為、ご遺族の方で動いて確認を取っておくことが大切です。

孤独死保険の加入が判明しても「ひと安心」ではない

孤独死保険は、「加入者が孤独死しました、特殊清掃をします」だけでは保険金請求ができません。業者の見積書や汚染状況・作業工程等を分かりやすくまとめた資料を提出し、「このような状況だったため、こうした遺品整理・特殊清掃・原状回復工事が必要となり、したがってこのような費用がかかってきます」という説明が必要となります。

 

こうした資料の作成はご遺族様では難しいので、当然特殊清掃業者に協力してもらわなくてはなりません。

 

となると完全消臭のできない、確実な施工方法が確立できていない特殊清掃業者では保険会社が納得できる資料を提示することはできないのです。保険会社としては、問題が解決しないリスクのある施工に対して保険金を出すことはできないからです。

 

また、孤独死保険も保険会社ごとに補償内容が異なるので、それを熟知して説明してくれる特殊清掃業者でなければ、より効率的に保険を適用することができません。良い特殊清掃業者を選ぶという事は、孤独死を確実に解決するだけでなく、費用の負担減という側面も合わせているのです。

孤独死保険はいつくらいで振り込まれるの?

過去の経験から、おおよそ2週間~1ヵ月程度で適応されるケースが多いようです。孤独死保険を適応しての現場経験がある会社では、大抵保険会社と交渉し、作業を進めてくれます。

 

保険会社もご遺族が抜き差しならない状態である事はわかってくれていますので、特殊清掃会社と連携を取って極力素早く進めてくれます。

 

経験のある特殊清掃会社を選ぶ事が、保険対応の成功率を上げてくれます。

 

孤独死保険は

 

・保険に加入していたか確認する

・孤独死清掃会社と連携して進める

 

以上の2つの要件が非常に大切であります。

 

良い特殊清掃会社では、保険の加入の確認や、保険証券の散策、保険会社との交渉、保険提出資料の作成まで全て代行したり、ご遺族様と一緒になって進めてくれたりします。いい換えれば良い特殊清掃会社に出会う事が、孤独死保険を適応する上で一番の近道なのです。

 

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