「なかなか勉強しない子どもを見ていると、ついイライラして怒ってしまう」と悩む保護者は少なくありません。しかし、株式会社コペルの代表取締役、大坪信之氏は頭ごなしに「勉強しなさい」と命じたり、おしりを叩いてまで勉強させたりすることは、子どもの学力向上には繋がらないと述べています。今回は、子どもが進んで勉強したくなるために保護者がすべきことを解説します。

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東大生は「勉強しなさい」といわれた経験が少ない!?

面白い調査結果があります。東大生の多くは、子どものころ「勉強しなさい」と言われた経験が少ないのだそうです。

 

意外と思われるかもかもしれませんが、東大合格者数ランキングで、トップ10に名を連ねるような名門進学校にも、頭ごなしに「勉強しなさい」と命じたり、おしりを叩いてまで勉強させたりするような学校はありません。

 

ある進学校の校長先生は「いつまでも、教師が生徒を懐に抱えているようではだめ。ある時点で教師が生徒を手放し、生徒が自らの足で歩めるようにしてやらなければ、東大に合格させることはできない」と断言されています。

「怒られるから勉強する子ども」は東大に合格できない

人間の動機には、大きく分けて2種類あります。

 

「やらないと怒られるから勉強する」というような外的動機付けと、「自分の目標に近づきたいから勉強する」というような内的動機付けです。

 

つまり、外的動機付けだけでは、東大合格は果たせないと、多くの名門進学校の教師たちが口をそろえているのです。そのような学校では、おしりを叩いて勉強をさせる代わりに、「今、勉強しなくちゃいけないんだ」ということに気付かせる仕掛けを、豊富に用意しているそうです。OBとの交流、社会貢献活動、教科にとらわれない自由な研究体験などです。

 

そのような機会を通して、子どもたちはおぼろげながら、将来なりたい自分の姿をイメージし始めます。教師たちも「キミたちなら、なりたい自分に絶対になれる!」と励まします。しかしそのためには、目の前の勉強を避けては通れないことを、子どもたちは悟っています。

「なかなか勉強しない子ども」への有効なアプローチ

なかなか勉強しない子どもを見ていると、ついイライラしてしまいますが、そういうときに親がすべきことは、やみくもに「勉強しなさい!」と怒ることではなくて、「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」を語り合うことではないでしょうか。

 

巷にいわれる「教育危機」や「学力低下」の問題も、もとをただせば、「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」という問いに、大多数の大人自身が、答えを見出せなくなっている結果と言えるのかもしれません。

 

教育改革が空回りを続けるのも、「教育とはそもそも何のためにするものなのか?」という、根本議論をなおざりにしたまま、表面的な手段ばかりが論じられているからなのではないでしょうか。

 

「今の教育はダメだ」と批判するのは簡単ですが、それだけでは根本的な解決にはなっているとはいえませんよね。まずは家庭で「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」を語り合うことから始めてみられてはいかがでしょうか。

 

 

 

大坪 信之

株式会社コペル 代表取締役

 

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「発達障害」という個性 AI時代に輝く──突出した才能をもつ子どもたち

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大坪 信之

幻冬舎メディアコンサルティング

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