中学3年生…男子も女子も進路のことで悩んでいる
子育て世代が孤立化しやすい状況下にありますが、「うちの子、何を考えているのかしら」というのは、孤立化していようが、してまいが、多くの家庭が持つであろう悩みではないでしょうか。そこにあるのは、親と子のギャップです。
厚生労働省では、同一客体を長期間追跡する縦断調査で、21世紀の初年に出生した子の実態や経年変化の状況を継続的に観察する「21世紀出生児縦断調査」を2001年から実施しています。2001年度生まれが中学3年生になったころの追跡調査結果からは、いまどきの家族と子どもの姿がみえてきます。
まず2001年の出産時、働いている母親の割合は24.9%(パート・アルバイト含む)。その子どもが中学3年生になったとき、母親の有職率は80.8%。母親は働いているという世帯が多数を占めるようになります。
そして中学3年生といえば、多くが進路のことを考える年齢。「大学卒業後に働くことを考えている」と回答する子どもが5割(男子52.8%、女子51.8%)、一方で「大学卒業後に働いてほしい」と考えている親は男親で47.1%、女親で38.5%。「子どもの意思にまかせる」と回答した3割を含めると、進路に関して、親子の世代間ギャップはあまりみられません(図表2、3)。
もちろん家庭によってギャップが生じているケースはあるでしょうが、親は「勉強しなさい!」というまでもない状況になっているといえるでしょう。逆に勉強や進路のことに色々口出しすると「わかっている!」と、親子喧嘩の火種になってしまいそうです。
また子ども自身、「何に悩み、不安に思っているのか」というのも、やはり進路のことがトップで男子で27.9%、女子で44.5%。ここには性差もあり、男子の場合、「学校や塾の成績」(20.8%)、「親がなにかと干渉してくる」(6.2%)と続きますが、女子の場合は「学校や塾の成績」(35.7%)、「自分の容姿に関すること」(15.8%)、「友達との関係に関すること」9.7%と続きます(図表4)。
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