どうやって老人ホームを選んだらいいのか? それには入居者の生の声を聞くのが一番と、国内最大の老人ホーム紹介センターを経営する著者は断言します。そこで著者は、数々の入居者のエピソードを通して、ホームでの暮らしの悲喜こもごもを紹介。現在、国内最大の老人ホーム紹介センターを経営する著者が、実は知らない老人ホームの真実を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『老人ホーム リアルな暮らし』(祥伝社新書)の抜粋原稿です。

向上心の強い人は往々にして「自己中心的な人」

しかし、中には、日々、入居者のことに思いを寄せている不器用な介護職員も多くいるのも、また事実です。彼らは、往々にして不器用で不愛想ゆえに、会社や入居者、家族からは高い評価を受けることができません。さらに、高評価を受けることができないので、賃金や役職が上がるチャンスもありません。つまり、いつまで経っても、現場で汗を流し、その流した汗も、アピールをすることが下手なために報われることなく、それこそ、「知る人ぞ知る」希少生物のような存在になっています。

 

小嶋勝利著『老人ホーム リアルな暮らし』(祥伝社新書)
小嶋勝利著『老人ホーム リアルな暮らし』(祥伝社新書)

よく、テレビや映画の世界の中の話で、交番勤務の警察官AさんとBさんの話を目にします。Aさんは早く偉くなるために、仕事の合間も昇進試験の勉強を行ない、試験に合格することに全精力を傾けます。Bさんは、昇進試験の勉強もそこそこに、地域住民の困りごとに全精力を傾けます。当然、Aさんは昇進試験に合格し、偉くなって組織内での発言権も大きくなります。Bさんは、昇進試験に合格できないので、いつまで経っても交番勤務の巡査のままです。いったい、どちらが警察官として正しい在り方なのか? という話です。

 

個人の価値観の問題と言ってしまえばそれまでですが、やはり、どちらが正しいということは定義しなければならないのではないかと思います。老人ホームにも、向上心の高い介護職員は存在します。

 

しかし、えてして、向上心の高いだけの介護職員がホーム長になると、あっという間に、介護職員の離反が起こり、ホーム長の職から引きずり降ろされてしまいます。向上心が強い人とは、往々にして「自己中心的な人」だからです。自己中心的な人であったとしても、それをおくびにも出さずに「そうでないふり」をし続けられる人は上手くいきますが、私の経験上、自己中心的な行動が丸出しになってしまう人が多いように感じます。

 

小嶋 勝利
株式会社ASFONTRUSTNETWORK常務取締役

 

 

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