「日本は危機的状況だ」「日本は財政破綻する」…ニュースメディアで聞いたことがある人も多いのではないでしょうか? しかし評論家の中野剛志氏は、書籍『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』(KKベストセラーズ)にて、このような社会通念を「あり得ない」と真っ向から否定しています。

「財政破綻」恐怖シナリオの第1歩は…

① 「債務不履行」シナリオ

 

日本政府の発行する国債は、すべて円建てです。日本政府は、円の発行権をもっているので、円建ての政府債務を返済することができてしまいます。

 

そこで、日本政府は、必要もないのに外貨建てで国債を発行すると決めるのです。さらに、現在の日本は、変動為替相場制を採用していますが、これを固定為替相場制(例えば、 「1ドル=130円」で固定する)にすることも必要です。その上で、経常収支が大幅な赤字になるまで、財政支出を拡大し続けます。

 

ここまでやれば、日本政府は、いずれ外貨が不足して、外貨建て国債の返済が履行できなくなり、めでたく財政破綻です。つまり、国債が自国通貨建てではなくユーロ建てで、かつ経常収支赤字であったために債務危機に陥ったギリシャのようになればよいのです。

 

もっとも、自国通貨建て国債であっても、債務不履行になる方法が一つだけあります。

 

それは、日本政府が強い政治的意志をもって、返済を断固拒否すればよいのです。

 

いずれにしても、日本政府が「絶対に、財政破綻するぞ」と固く決意すれば、財政破綻(債務不履行)は可能です。

次ページ第二のシナリオ「ハイパーインフレ」とは…
目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

中野 剛志

KKベストセラーズ

読まれると経済学者・官僚が困る本ナンバー1 経済常識が180度変わる衝撃! 第1部 経済の基礎知識をマスターしよう 1.日本経済が成長しなくなった理由 2.デフレの中心で、インフレ対策を叫ぶ 3.経済政策をビジネ…

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