圧巻の超大国なの?中国の経済成長率が「日本の6倍」あるワケ

新型コロナウイルスの影響で、世界各国の景気が低迷しています。公表されている経済指標からは、その国の経済におけるいろいろな状況が読み取れますが、各指標が意味するものや、動きの特徴を正確に把握していないと、正しい理解はできません。GDPの短期的な増減が起こる理由、先進国と新興国の経済成長率の開きの意味するところ、工業国と農業国それぞれの数値の動きの特徴…。経済評論家の塚崎公義氏が平易に解説します。

「短期的なGDPの増減」は景気によって起きる

短期的なGDPの増減は「景気がいいときは物が売れるので(需要があるので)企業が生産を増やし(GDPが増えるので経済成長率が高まる)、景気が悪いときは物が売れないので(需要不足なので)企業が生産を減らす(GDPが減るので経済成長率が下がる)」ということによって発生します。

 

リーマン・ショックのときには、輸出が激減して輸出企業の生産が落ち込み、輸出企業が倒産したり非正規労働者を解雇したりしたため、失業した人々が所得を失って消費ができなくなり、幅広く消費財メーカー等々の生産が落ち込みました。

 

リーマン・ショックほど大きくなくても、日本の景気は輸出が減ることで悪化する場合が多いので、これが日本の典型的な不況だといえるでしょう。

 

あるいは、少し前になりますが、石油ショック後のインフレが激しかったときには、政府日銀が財政金融政策で景気をわざと悪化させてインフレを押さえ込んだものでした。

 

日本ではインフレが起きることは稀ですが、諸外国ではインフレを抑え込むために金融を引き締めて景気をわざと悪化させる、ということは珍しくありません。典型的な景気悪化の1パターンといえるでしょう。

 

バブル崩壊が景気を悪化させることもあります。バブル期には景気が過熱し、その反動で景気が悪化するのですが、その後も投機に失敗した破産者が相次ぎ、銀行の不良債権が増加し、銀行が貸出に慎重になることで、さらに景気を悪化させることが少なくありません。

 

悪くすると、銀行が自己資本比率規制の影響で貸し渋りをせざるを得なくなったり、銀行が倒産してしまったりする「金融危機」に発展してしまうこともあります。日本の平成バブルのときも深刻な金融危機が起きましたし、リーマン・ショックもバブル崩壊に伴う金融危機だったわけです。

 

今年の経済成長率は、世界的に大変低いものとなりそうですが、それは人々が外出を自粛して、外食や旅行をしなかったことによるものです。これは、上記のような典型的な不況とは異なり、例外的な景気悪化といえますが、需要の減少が景気を悪化させて経済成長率を押し下げた、という点では例外ではありません。

 

供給側の事情で成長率が低下することも、理論的にはあり得ます。たとえば新型コロナの影響で物流が滞って生産できなくなる、といった可能性は否定できません。この場合には、不況とは呼ばないでしょうが。

 

ちなみに、農業国では供給側の事情で成長率が低下することは普通です。農業国は「作れるだけ作って、余ったら翌年にとっておく」からです。一方で先進国は、「売れそうな分だけ作る」ので、需要が落ち込むと生産が落ち込むわけですね。だから先進国の経済を予想するときには需要の予想が大切なわけです。

 

今回は以上です。なお、このシリーズはわかりやすさを最優先として書いていますので、細かい所について厳密にいえば不正確だ、という場合もあり得ます。ご理解いただければ幸いです。
 

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「幻冬舎ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「幻冬舎ゴールドオンライン」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

塚崎 公義

経済評論家

 

【勉強会/相談会情報】 

 

少人数制勉強会】30代・40代から始める不動産を活用した資産形成勉強会

 

【医師限定】医師だけしか買えない「不動産投資物件」ご紹介WEBセミナー(※数量限定/参加特典付)

 

【対話型セミナー/複数日】会社員必見!副収入を得るために何をすべきか?

 

【40代会社員オススメ】新築ワンルームマンション投資相談会

経済評論家

1981年東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の仕事に従事したのち、2005年に退職して久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と無関係に個人として行なっているものであるため、現職欄には経済評論家と記すものである。

著書に、『老後破産しないためのお金の教科書―年金・資産運用・相続の基礎知識』『初心者のための経済指標の見方・読み方 景気の先を読む力が身につく』(以上、東洋経済新報社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)、『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』『なぜ、バブルは繰り返されるか?』(以上、祥伝社)、『経済暴論』『一番わかりやすい日本経済入門』(以上、河出書房新社)など多数。

趣味はFacebookとブログ。

著者紹介

連載経済初心者のための「超入門」講座

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧