認知機能が正常範囲にあっても、一定以上の記憶障害を示すグレーゾーン(正常と認知症の中間に位置づけ)とされる軽度認知機能障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)が注視されています。今回は、医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長の梶川博氏、医学博士である森惟明氏の共書

MCIの治療は動脈硬化性疾患発症へのリスク抑制が重要

MCIの治療として身体疾患、特に動脈硬化性疾患の発症へのリスク抑制が重要で、これはアルツハイマー型認知症の危険因子に関する研究から指摘されました。動脈硬化性疾患の発症リスクを飛躍的に増加させる身体疾患として、肥満、耐糖能異常、脂質異常症(高脂血症)、高血圧が集積した病態(メタボリックシンドローム)が注目されています。

 

また最近では、脳血管障害は血管性認知症のみではなく、アルツハイマー型認知症の危険因子とみなされるようになっています。脳梗塞再発予防薬の抗血小板薬シロスタゾール(商品名:プレタール®)や抗てんかん薬レベチラセタム(商品名:イーケプラ®)のMCIへの有効性が示唆されていますが、まだ保険適用にはなっておりません。

 

インスリンやインスリン分解酵素とアルツハイマー型認知症の原因物質と目されるアミロイドβ(Aβ)がMCIに関係していることも示されています。

 

脳内インスリン抵抗性(正常な血糖値を保つのに必要なインスリン量が増加した状態)によって、アルツハイマー型認知症の原因物質と目されるAβの脳内沈着が促進されるといわれています。

 

 

※本記事は連載『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』を再構成したものです。

 

 

梶川 博
医療法人翠清会・翠清会梶川病院、介護老人保健施設、地域包括支援センター会長

 

森 惟明
医学博士

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法

改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法

梶川 博、森 惟明

幻冬舎メディアコンサルティング

「脳梗塞・認知症・運動器症候群」 三大疾患 徹底解説シリーズの改訂版! 三大疾患「脳梗塞・認知症・運動器症候群(ロコモ)」を治療・予防することで「寝たきり」と「認知機能低下」を防ぎ、高齢者が自立して健やかな老後…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
TOPへ