決算書の一つ、「貸借対照表(B/S)」。これが何を表すものかご存じだろうか? 一見難しそうだが、実はシンプルで簡単な表だ。企業によっては「こんなものまで!?」と驚くような科目もあり、経理以外の人が読んでも面白い。場合によっては退職金事情がわかることも…。「日本人全員が財務諸表を読める世界を創る」ことを目標にする筆者が「貸借対照表(B/S)」の読み方を解説。※本連載は、大手町のランダムウォーカー氏の著書『世界一楽しい決算書の読み方』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。本記事に掲載の情報は特段の注や付記がある場合を除き、2019年12月書籍執筆時点での各社決算書情報を参照しています。

 

正解は、③鉄道業のB/Sでした。

 

これは鉄道業を主たる事業としている、JR東日本のB/Sです。鉄道業の運営に必須のものといえば、なんでしょうか? そう、車両や線路ですね。

 

車両や線路などは、JR東日本の固定資産です。だから、必然的にこのように固定資産がかなり大きくなるのですね。とても特徴的です。

 

「貸借対照表」という文字面だけ見ていると難しそうだと敬遠してしまうB/Sですが、ふたを開けてみれば意外と大したことのない、簡単な表だと思っていただけたのではないでしょうか。

 

単に企業にどんな資産があって、その資産をどうやって入手したのかを表しているだけだと思えば、とても理解しやすい表です。

 

(C)OTE_WALK 2020
[図表11]貸借対照表のまとめ (C)OTE_WALK 2020

 

〈貸借対照表のまとめ〉

①B/Sは、資産・負債・純資産の3つから構成される。

②資産は将来、企業に資金をもたらす項目が記載される。

③負債は将来、企業が返済を行う必要のある債務等の項目が記載される。

④純資産は返済が不要なお金や、過去の利益累計額が記載される。

⑤資産側は、企業の財産がどのように運用されているのか、負債・純資産側は、財産をどのような手段で調達してきたのかということを表す。

⑥資産と負債は資金回収・資金返済の期間によって、流動と固定に分けられる。

 

ここまでで貸借対照表の基本は終わりです。次回は、実際の企業の貸借対照表を元にした会計クイズを解きながら、それぞれのビジネスモデルを読み解いていきましょう。

 

(※本記事に掲載の情報は特段の注や付記がある場合を除き、2019年12月書籍執筆時点での各社決算書情報を参照しています。)

 

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大手町のランダムウォーカー

 

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