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東京は通勤する街から人生を楽しむ街へ変貌
今の日本では、お笑い芸人ばかりが持て囃されています。お笑い自体は人々の心を和ませるもので、社会の潤滑剤として必要なものだと思いますが、しょせんはお笑いの領域です。テレビ番組ではお笑いやグルメばかりが毎日放送されますが、美術や音楽などの芸術を扱った番組がほとんどなくなってしまっています。限られた時間の中、会社ファーストで生きてきたサラリーマンの多くが、疲れた心を和ませるだけのお笑いやグルメ、温泉などにしか関心を示せていないのが今の日本の現実です。
心にゆとりが生まれ、毎日の生活の中で自身を磨いていく余裕が生まれてくれば、文化や芸術はふたたび多くの人に親しまれ、それを愛でる人たちが街の劇場や美術館に足を運び、作品展を鑑賞し、その評価を楽しみながら食事をするようになると思います。また新たに学校に通って、自身の関心のある分野を見出そうとする人たちも増えてくるでしょう。
こうした人々が東京に集まれば、東京はこれまでとは違った姿を私たちに見せることになると思います。世界中のエンターテインメントが集まり、国内外の人たちが楽しむ。
東京で生活することは、こうしたものに直に触れていく、一つのステータスになっていくのです。ポスト・コロナ時代の東京は通勤する街、オフィスだらけの無味乾燥な街から脱却し、人生そのものを心から楽しむ街へと変貌していくことを期待したいものです。
牧野 知弘
オラガ総研 代表取締役
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