「会社の質=社長の質×社員の質」の真意
「振り返ると、あっという間の30年だなぁ~」と社長は言っておられた。ちょうど高成長が続いた時期からバブルがはじけて金融危機はあるし、デフレは続くし、土地は下がり続けるし、「今日と明日のことを考えるのが精いっぱいで気がついたら65歳を過ぎていた」と謙遜されたが、無借金経営を維持し地元では有名企業である。社員の教育も徹底しており、名社長は年齢とともに教育者になっていくことは、どの業界でも共通しているようだ。
会社の質は結局、「社長の質×社員の質」かもしれない。
社外秘である「経営計画書」であるが、H社長はユニークな人で、ライバルに見せても大丈夫だと公言してはばからない猛者だった。真意を図りかねて問うたことがあるが、「同業がこれを見てマネしようとすると社内が空中分解するからね」と意味不明なことを言うのである。
「カタチだけマネても、社長も社員も“心”が育っていなければできないんだよ」「本物になるのには最低でも10年以上かかると思うけど」、そして「なにより社長が率先してやらないと社員はやらない。やれやれ言えば、多くの社員は辞めるから」と。
社長の人生は思った以上に短いし早い。強くて良い会社を育て上げるのに、そんなに時間は残されていないのである。
作間 信司
日本経営合理化協会 専務理事
【関連記事】
税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】