田んぼに囲まれた中古アパートでも入居する秘密
ポイントは3つあった。
1つ目は、車社会の地方都市では、駐車場を確保できれば、その立地のデメリットは解消できること。むしろ家賃を安くすれば、それ自体を魅力だと思う人がいるはずだと見込んだ。
2つ目は、購入したアパートは、周辺が田んぼであっても、土地が安いためか近くに大きな工場が複数あったこと。複数の工場があれば、どこかが撤退したとしても、賃貸住宅の需要は引き続きあるので、十分やっていけると見込んだ。
3つ目は、アパートから車で10分程度のところに、翌年アウトレットモールがオープン予定だという情報を得ていたこと。
結果として、建物が古く空室には修繕が必要だった上に、募集力の弱い管理会社を途中から変更したことなどにより、購入から5カ月ほどかかったが、満室にすることができた。
2年半後に売却したが、それまでの間の家賃収入と売却益で1000万円ほどの資産をつくることができ、その資産は次に購入する物件の資金に充てることができたという。
そんな多喜さんは、「田舎というデメリットは、すでにわかっている欠点。しかし必ずしも解消できない欠点ではない」と話す。立地に難がある物件でも、その地域ならではの賃貸住宅の需要を見極めマッチさせることができれば、高収益物件に再生することができる。多喜さんが「レッドオーシャン」の都会より、「ブルーオーシャン」の田舎を狙う理由はその点にあるのだ。
永井ゆかり
「家主と地主」編集長
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