※本連載は中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表・松本亘正氏の著書『中学受験 「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する歴史の授業 上巻(旧石器〜安土・桃山時代)』(実務教育出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

現代にも受け継がれている…豪華で雄大な「桃山文化」

安土・桃山(あづち・ももやま)時代の文化は、桃山文化と言います。豪華で雄大、仏教色の薄い、キリスト教の影響を受けた文化です。

 

安土城(あづちじょう)や大坂城(おおさかじょう〔大阪城〕)、世界遺産に登録されている姫路城(ひめじじょう)には、立派な天守閣ができました。

 

桃山文化を代表する姫路城

 

美術では、障壁画しょうへきが〔ふすま絵〕)が発達しました。狩野永徳(かのうえいとく)の『唐獅子図屏風(からじしずびょうぶ)』が有名です。

 

狩野永徳の唐獅子図屏風

 

芸能の分野では、千利休(せんのりきゅう)によって茶の湯(ちゃのゆ)が大成されました。千利休は、織田信長(おだのぶなが)や豊臣秀吉に仕えていましたが、最後は秀吉の怒りを買い、切腹させられてしまいます。千利休が茶の湯を通じて多くの大名と親しくなり、影響力を持ったことを警戒したとも言われていますが、実際のところどうなのでしょう。

 

茶の湯を大成した千利休

 

今でも千利休の教えは茶道(さどう)となって、広がっています。ちなみに、豊臣秀吉の命令で黄金の茶室をつくっていますが、千利休としては黒色を好んだそうです。あまりぜいたくな器ではなく、わびさび(質素で静けさを感じるさま)を大事にしていました。美意識が違ったんですね。

 

また、出雲の阿国(いずものおくに)によってかぶき踊りが始められます。阿国(おくに)は女性です。これが後の歌舞伎(かぶき)へとつながっていきます。「あれ? 歌舞伎は男性がするものじゃないの」と思った人、いいところに気づきましたね。

 

かぶき踊りを始めた出雲の阿国

 

その通り、江戸時代になると歌舞伎は男性に限定されていきます。女性の踊りに熱中する男性がたくさん出てきて、江戸幕府は「みんなアイドルの追っかけみたいになっているじゃないか。女の踊りはダメだよ!」としてしまうのです。

 

たぶん現代で言うと、ものすごい勢いでペンライトを振り回してアイドルを応援するような男性が多数現れて、それはダメということになったのでしょう。

 

ちなみに男性だけになった後も、美少年限定の踊りが流行しました。すると、また熱中する人がたくさん出てきちゃった。幕府はそれも禁止します。今で言うと、みんな熱中しすぎるのでジャニーズもイケメンもダメだ、ということ。そして、現在のような歌舞伎の形態になっていったのです。

 

【安土・桃山時代の理解度をチェックする】

 

松本 亘正

中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表

 

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