ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

これまでアプローチしていなかった層をどう狙うか

そこでこの会社は攻め方を変えることにしました。子供向け商品なので、検索するのは主にお母さんです。ターゲットとなるお母さんたちは、ほかにも子供たちが好きなキャラクターやおもちゃの情報を探しているはずだと仮説を立てて、人気アニメキャラクターを検索した履歴のある人にバナー広告を配信しました。

 

コンバージョンとなるサンプルの請求数は1.7倍となり、コンバージョン1件当たりにかかるコストも大きく下がりました。

 

ほかの健康食品やサプリメントのメーカーは、アニメキャラクターの方にはおそらく手を出していなかったでしょう。ところが子供向けサプリを購買しようとする層にはうまくマッチしたのです。

 

さらにランディングページを、すでにサプリを探している顕在ユーザー層向けと、そこまでいかない潜在ユーザー層向けに分け、ページ構成や訴求のしかたを変えて制作しました。これによってまたコンバージョン率が高まりました。このほかスマートフォンで検索する人向けの予算を増やして、キュレーションサイト(ニュースや情報などのまとめサイト)にも広告を配信するなど、細かい運用の積み重ねでさらに成果を上げています。

 

もうひとつは、美容や健康に関心を持つ女性向けのプロモーションの事例です。コラーゲンのサプリメントと化粧品を販売し、メインターゲットは三十代から四十代の女性でしたが、やはり競合各社とキーワードがかぶり、クリック単価が非常に割高になってしまっていました。

 

「コラーゲン」や「サプリ」「化粧品」を組み合わせたキーワードはもう先が見えたので、その頃人気が出てきた韓流のアイドルやアーティスト、ドラマなどの情報を載せたポータルサイトに商品を案内するバナー広告を出し、また韓流関連の検索をした人向けにリスティング広告を配信しました。これにより、それまでアプローチできていなかったターゲットに広告が届くようになり、成果を上げることができました。

 

ちょうどコラーゲンと韓流が同じタイミングで流行して、どちらも流行に敏感な女性が興味を持っていたのです。商品のターゲットと韓流ファンの年齢層が近かったことも成功した要因のひとつです。

 

後藤 晴伸
後藤ブランド 社長

 

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増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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