白内障とは、加齢によって目の中でカメラのレンズのような役割を担う水晶体が白く濁り、視力が低下する病気です。60代で約半数、80代に至ってはほぼ全員が、程度の差こそあれ白内障にかかります。高齢化に伴い、今や「目の国民病」と言っても過言ではないこの病気について、眼科専門医が症状と治療法を平易に解説します。※本記事は『図解 白内障かなと思ったら読む本』(幻冬舎MC)から抜粋・再編集したものです。

手術後の流れ…何より重要なのは「感染予防」

手術後の流れは眼科によって異なりますので、当院を例に挙げます。手術は10分程度で終わりますが、術後も瞳孔が大きく開いていたり、手術中の顕微鏡の光で目がくらんでいるためすぐには帰さず、別室でお茶とおしぼりを出し、少し休んでいただきます。

 

その後、傷を外からの衝撃から守るための保護メガネをかけ、抗菌薬、ステロイド、非ステロイド性抗炎症薬の3つの点眼を処方します。

 

眼の手術といえば術後に眼帯のイメージがあるかもしれませんが、当院では使いません。その理由として、手術の傷口は非常に小さいので普通に開くことはまずないこと、眼帯をしてしまうと点眼できないのでそのまま放置になりますが、保護メガネだと術後の早期から点眼できるため、感染予防や消炎効果が高いことが挙げられます。

 

また、眼帯をしているとその間はまったく見えない不安がありますが、保護メガネでは早い段階から見えるので安心です。以上の理由から、術後は眼帯をするのが当たり前だった時代とは変わってきています。

 

なお、この保護メガネは、寝ている間無意識のうちに眼をこすってしまわないよう、就寝時もかけたままにしていただきます。

 

手術翌日、診察にて傷の状態や感染を起こしていないか、眼圧は正常か、などを確認します。

 

手術が終わったら一安心、と思われがちですが、実は術後の方が、感染症のリスクは高いのです。手術中は清潔な院内で、医師が細心の注意を払っていますが、術後に自宅で生活しているとどうしても衛生面は医療機関よりも劣りますので、患者さんが意識して、点眼薬で感染予防に努める必要があります。実際、術後に処方された目薬をきちんとささなかったために、黄斑浮腫という眼底がむくんでしまう合併症を起こし、良く見えなくなってしまった、というケースもあります。

 

手術の翌々日にも診察にきていただきます。このときに、術前に狙ったとおりの見え方になっているかを確認します。特に乱視矯正機能がついたレンズを入れた場合、手術で正しい位置に入れても、すぐに定着しないため、1日2日のうちに少しずれてしまうこともあるのです。その場合、まだ手術時の切開部分が完全に閉じていないので、再度位置調整をします。

 

併せて感染症が起こっていないことも改めて確認し、問題がなければ次は一週間後にきていただきます。

 

術後1週間の診察で、改めて傷の具合や視力をチェックします。なお、感染予防の点眼薬は徐々に減らしていきますが、最低半年間はさしていただきます。
 

 

『図解 白内障かなと思ったら読む本』より
 

川原 周平

医療法人 iMEDICAL 川原眼科 理事長

眼科専門医

 

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図解 白内障かなと思ったら読む本

図解 白内障かなと思ったら読む本

川原 周平

幻冬舎メディアコンサルティング

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