新型コロナより怖い、老人抹殺社会の現実が忍び寄ってきている。「老人はもう長生きしない。なぜなら、老人を殺してもおかしくない社会になっているからだ」――。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が明かす、驚愕の事実。超高齢化社会ニッポンが抱える問題点を明らかにする。本連載は小嶋勝利著『もはや老人はいらない!』(ビジネス社)から一部を抜粋、編集したものです。

リハビリは医療?それとも介護?

いったいどちらの考え方が介護的には正しいでしょうか? 医療的な考え方で言えば、当然前者の考え方が正しいに決まっています。医療は治す改善することが使命だからです。しかし「介護的には」ということになると、おそらく議論が分かれます。ここが介護の難解なところ。介護とはその人の生活を支えることなので、その人の人生を総合的に判断して決めなければならないという守備範囲が広い仕事だからです。専門性というよりも、かなり広い守備範囲の人生哲学のようなものなのです。

 

小嶋勝利著『もはや老人はいらない』(ビジネス社)
小嶋勝利著『もはや老人はいらない』(ビジネス社)

現在の医療介護業界では何となくではありますが、医療と介護の役割分担ができています。しかし、その役割分担について、医療介護の全体像を踏まえて論理的な説明ができる人は皆無です。単に医療は医療、介護は介護というだけの役割分担しかありません。

 

リハビリは医療?それとも介護?という話の中で多くの関係者は、医療保険が使える場合は医療、介護保険が使える場合は介護という区分けをしているだけなのです。中には、介護職員が行なうリハビリは生活リハビリという介護であると言う人もいます。しかし医療と介護を区別するためには、明確にそこに各々の役割分担がなければなりません。医療にしかできないことは医療に、介護にしかできないことは介護にということです。

 

しかし現在、その役割分担における概念は医療の側から侵食されてきています。そのうち、すべての介護の概念は医療の概念の中に置かれ、結果、医療が介護も担うことになると私は考えています。介護業界は先祖返り、昔のように医療がすべてを担うということになっていきます。

 

現在、多くのケースで介護保険制度に基づき実施しなければならないことには、目に見える形での証拠や資料が必要になっています。この観点から考えてみても、医療はスムーズにその証拠や記録を整備することができます。しかし介護は、そもそも情緒的で実体のないことが多いため、証拠や記録の整備には不慣れな業務です。この整備ができていないことが「ダメだ」と言われるのであれば、介護の医療化を進めていく以外に方法はないのではないでしょうか。

 

小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

誰も書かなかった老人ホーム

誰も書かなかった老人ホーム

小嶋 勝利

祥伝社新書

老人ホームに入ったほうがいいのか? 入るとすればどのホームがいいのか? そもそも老人ホームは種類が多すぎてどういう区別なのかわからない。お金をかければかけただけのことはあるのか? 老人ホームに合う人と合わない人が…

老人ホーム リアルな暮らし

老人ホーム リアルな暮らし

小嶋 勝利

祥伝社新書

今や、老人ホームは金持ちが入る特別な存在でななく、誰もが入居する可能性の高い、社会資本です。どうやって老人ホームを選んだらいいのか?それには入居者の生の声を聞くのが一番と、国内最大の老人ホーム紹介センターを経営…

もはや老人はいらない!

もはや老人はいらない!

小嶋 勝利

ビジネス社

コロナより怖い、老人抹殺社会の現実がここに。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が明かす、驚愕の事実! 日本は世界に先駆けて超高齢化社会と言われています。老人の数は加速度的に増え、このままでいくと日本は老…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
TOPへ