満室高収益「防音マンション」木造化に成功で建築費約5割減

2000年に誕生して以来、着実に進歩を重ね、入居者から高い支持を集めてきた24時間楽器演奏可能なマンション「ミュージション」ですが、2019年度、新たに「木造ミュージション」が誕生しました。それは土地活用を考える投資家にとって、どのような意味をもつのでしょうか。株式会社リブラン資産活用部の舘康之氏に伺いました。

コロナも逆風にはならない「ミュージション」

2020年9月現在、ミュージションは全20棟529室(分譲含む)があり、入居率は100%を実現しています。また2019年度の1年間の平均入居率でも98.2%と、ほぼ100%に近い数値となっています。

 

しかも特筆すべきは、ミュージションの賃料は周辺相場に比べても平均で3割程度高いという点です。このように聞くと不動産投資の経験者は「高い賃料設定は新築時だけ。経年とともに賃料は段々と落ちていくもの」と考えるでしょう。

 

ところが「ほとんどのミュージションで、新築時の賃料を維持できています。たとえば、2010年に竣工した『ミュージション野方』は、10年後の現在でも新築時の家賃から1円も下がっていません」と、株式会社リブラン資産活用部の舘康之氏。

 

とはいうものの、コロナ禍の影響で収入が減少。周辺相場より賃料が高いミュージションでは、需要に変化が生じているのではないかと、気になるところ。

 

株式会社リブラン資産活用部 舘康之氏
株式会社リブラン資産活用部 舘康之氏

舘氏「実は、新型コロナウイルスの感染が拡大してから、ミュージションに住みたいという方からの問い合わせや引き合いは、むしろ増えています。これは新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛、そして、それに伴うテレワークの普及で在宅率が上昇したことが要因です。家にいる時間が長くなったことで、これまで気が付かなかったマンションの“音問題”が露呈したわけです」

 

たしかに、テレワークで在宅時間が長くなればなるほど、今までは気にならなかった隣室の生活音が気になってくるでしょう。多大な影響を与えているコロナ禍も、ミュージションにとっては逆風にはなっていないようです。

 

これまでのミュージションの課題を解消

良いことばかりに見えるミュージションですが、これまで1つだけウィークポイントがありました。それは建築費。防音性能を高めるための素材や工法を用いるため、どうしても一般マンションと比べて10%程度、建築費が高くなるのです。もちろん、性能から考えれば適正なコストであり、また、賃料は周辺相場より約3割高く設定できるため、建築費の上昇分の回収に問題はありません。しかし、初期投資のハードルが高くなることに間違いはありません。

 

またオーナーがミュージションを希望しても、立地によってはRC造に向かない土地もあるため、その場合もミュージションは諦めてもらうほかありませんでした。それらの問題を解決したのが、2019年末に初登場した「木造ミュージション」なのです。

 

「木造で高い防音性なんて無理では?」と思う人も多いでしょう。一般的な木造アパートでは、隣室の会話が聞こえてくることは珍しくありません。しかし、株式会社リブランが長年のミュージション建築で蓄積したノウハウを応用し、試行錯誤を重ねた結果、木造住宅でもD-70という高い遮音性能が実現できるようになったのです。

 

これは一般のRC造マンションに比べて、はるかに高い遮音性能です。深夜1時にピアノやトランペットを演奏しても、隣室にはわずかに聞こえる程度で、音楽を愛する人のニーズに十分応えられる性能を実現しています。

 

舘氏「最初の木造ミュージションである『ミュージション柳瀬川』は、内階段で3階建てになっているメゾネットタイプのテラスハウスです。1階部分が防音室で、2階はリビング・ダイニング、3階は居室となっていて、たとえば夫婦と小さな子どもの3人家族でも十分なスペースを確保しています。

 

またフロアが分かれていることで、PP分離(パブリックスペースとプライベートスペースの分離)ができ、たとえば音楽教室を経営したり、レコーディングスタジオ的な使い方をしたり、といった活用もできます。臨機応変に考えられる点は、1フロアのマンションタイプの住戸よりも優れているでしょう」

 

また周辺の同クラスの物件賃料相場が約12万円であるところ、ミュージション柳瀬川は16万5000円(駐車場込)の賃料設定にしましたが、ここでも募集開始から4日間で全戸申込みになり、満室経営が続いているといいます。

 

ミュージションテラス柳瀬川、写真左上より時計回りで、1階独立防音室、2階1LDK、3階寝室(洋室)クローゼット、3階寝室(洋室)
ミュージションテラス柳瀬川、写真左上より時計回りで、1階独立防音室、2階1LDK、3階寝室(洋室)クローゼット、3階寝室(洋室)

 

木造ミュージションで土地活用の選択肢が広がった

ほかにも、木造ミュージションにはRC造や鉄骨造にはないメリットがあります。まず、建築費がRC造などより安いこと。物件規模によっても異なりますが、『ミュージションテラス柳瀬川』の場合、同規模のRC造よりも約50%(同社比)も建築費を安く抑えることができるといいます。

 

また、狭小地や旗竿地、あるいは一種低層住居専用地域など、RC造マンションは建築がしにくい、あるいは不可能な土地であっても、木造ミュージションなら建築が可能。これまでなら諦めざるを得なかった土地でも、ミュージションを建てられる可能性が開けたのです。

 

舘氏「以前は、ミュージションに興味があるという地主様からご連絡をいただいても、現地の状況から、諦めていただかなければならないことがありました。そんな地主様にも、木造ミュージションを選択肢としてご提案できるようになりました。ミュージション自体が増えるきっかけにもなるので、入居待ちの方々にも朗報だと思います」

 

たとえ新型コロナワクチンが完成したとしても、すっかり定着した感のあるテレワークの日々から、再び、満員電車で通勤するのが当たり前というスタイルに完全に戻る可能性は低いでしょう。多くの人が長い時間を家で過ごすことになれば、より快適で自分らしい暮らしをしようと、住居のあり方を見直したり、より多くのお金をかけようと考えたりする人は増えるはずです。

 

そういう時代に強くアピールできるのは、仕様も賃料も万人向けの平凡な住宅ではなく、たとえ賃料が高くても、他では得ることができない高い価値と個性を持つ住居です。ミュージションは確実に、「選ばれる住居」の一角を占めるといえるでしょう。

 

【動画で「木造ミュージション」を知る】

 

株式会社リブラン 資産活用部

1984年2月生まれ。青森県出身。
IT営業、太陽光発電事業を経て、不動産業に興味を持ち、リブランに入社。

入社後、資産活用部を経て、実際の入居者の声を聞くべくミュージション事業部に配属。現在は土地所有者様にむけた、音楽居住環境として音楽を愛する方に喜んで住んでもらえるミュージションの提案に注力。ミュージション事業部での経験を活かし、 現入居者の生の声を土地所有者様へ伝えることでミュージションをもっと知っていただきたいと、日々業務に取り組んでいる。

著者紹介

連載24時間楽器演奏可能な「ミュージション」…高い競争力を維持し続ける理由