日本は借金まみれだが…多くの国民に知らされない、1つの真実

借金大国ニッポン。新聞やテレビをはじめ、大手メディアはこぞって深刻な財政赤字を指摘しています。「日本はお先真っ暗だ…」と絶望的な気持ちになりますが、実は「大きな勘違い」が潜んでいることをご存じでしょうか? 書籍『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』(KKベストセラーズ)にて、評論家の中野剛志氏が指摘しているのは…。

「じゃあ税金いらないじゃん!」…ではないのです。

さて、ここまで読んで、「何というデタラメを言っているのか! 政府がいくら借金しても返済しないでいいならば、税金なんかいらないではないか。無税国家ができるとでもいうのか!」と腹を立てて、スマホを投げ捨ててしまう方もおられるかもしれません。その前に、もう少し辛抱して、議論に付き合ってください。

 

もちろん、政府は、無限に財政赤字を拡大することはできませんよ。限界は、あります。

 

では、財政赤字の限界とは、何でしょうか?

 

まず、政府が、財政赤字を拡大しまくったら、何が起こるかを考えてみましょう。例えば、政府が盛んに公共投資をやり、投資減税や消費減税をやったら、需要が拡大して、供給力を超えるので、インフレになります。

 

それにもかかわらず、公共事業をやりまくり、ついでに無税にしてみたら、どうなるか。おそらく、インフレが止まらなくなり、遂にはハイパーインフレになるでしょう。

 

インフレとは貨幣の価値が下がることですが、ハイパーインフレになると、お札はただの紙切れになってしまいます。ハイパーインフレは、さすがに困る。いくら政府に通貨発行権があっても、その通貨が無価値になってしまうのです。ハイパーインフレこそ、国家の財政破綻と言っていいでしょう。

 

要するに、財政赤字が拡大し過ぎると、インフレが行き過ぎるのです。ということは、財政赤字はどこまで拡大してよいかと言えば、「インフレが行き過ぎないまで」ということになります。

 

財政赤字の制約を決めるのは、インフレ率(物価上昇率)なのです。

 

■財政赤字の大きさは関係ない

 

以上のような財政の考え方を「機能的財政論」といいます。財政は、財政収支が黒字か赤字かではなく、財政赤字の額の大きさでもなく、財政が経済においてどのように機能しているか(物価にどのような影響を与えるかなど)で判断すべきだ。これが「機能的財政論」なのです。

 

まとめると、次のようになります。

 

●財政赤字の制約となるのは、民間部門の貯蓄ではない(財政赤字は、それと同額の民間貯蓄を創出するから)。

●財政赤字の制約となるのは、政府の返済能力でもない(政府には、通貨発行権があるから)。

●財政赤字の制約を決めるのは、インフレ率である。インフレになり過ぎたら、財政赤字を拡大してはいけない。

●財政赤字を無限に拡大できない理由は、そんなことをすると、ハイパーインフレになってしまうからである。

 

これで「ああ、よかった。やっぱり、財政赤字は無限に拡大してはいけないんだな」と安心していただけたかと思います。

 

次回はその上で、あらためて、日本の財政赤字について考えてみましょう。

 

【次回に続く】

 

中野 剛志

評論家

 

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評論家 

1971年、神奈川県生まれ。評論家。元京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治思想。

1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年に同大学院にて優等修士号、2005年に博士号を取得。論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。

主な著書に『日本思想史新論』(ちくま新書、山本七平賞奨励賞受賞)、『TPP亡国論』(集英社新書)、『日本の没落』(幻冬舎新書)、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】』(KKベストセラーズ)。

著者紹介

連載目からウロコが落ちる奇跡の経済教室~基礎知識編

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

中野 剛志

KKベストセラーズ

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