日本は借金まみれだが…多くの国民に知らされない、1つの真実

借金大国ニッポン。新聞やテレビをはじめ、大手メディアはこぞって深刻な財政赤字を指摘しています。「日本はお先真っ暗だ…」と絶望的な気持ちになりますが、実は「大きな勘違い」が潜んでいることをご存じでしょうか? 書籍『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』(KKベストセラーズ)にて、評論家の中野剛志氏が指摘しているのは…。

「自国通貨建ての国債で財政破綻する」その条件は…

ですから、国家の経済運営をビジネス・センスで語ってはいけないのです。破綻の可能性がない民間企業はあり得ませんが、政府の場合はあり得るのです。

 

もっとも、厳密に言えば、自国通貨建ての国債であっても、政府が何らかの理由で、政治的意思によって「借りた金は返さない!」と決めてしまったら、財政破綻はあり得ます。

 

例えば、アメリカでは、議会が政府債務の上限を定めています。したがって、議会が上限を引き上げなかったために、アメリカが財政破綻するということは、あり得るのです。実際、過去に、そうなりかかったことが何度かありました。

 

『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』(KKベストセラーズ)
『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』(KKベストセラーズ)

しかし、国家に返済の意思がある限りは、自国通貨建ての国債が返済不能になって、財政が破綻することはあり得ません。

 

実際、歴史上も、そのような例はありません。もちろん、アルゼンチンなど、財政破綻を経験した国はあります。しかし、それは、外貨建て国債についての債務不履行でした。

 

自国通貨以外の通貨に関しては、政府に通貨発行権がないので、外貨建て国債ならば、債務不履行はあり得ます。政府の返済能力の制約があるのは、外貨建ての国債の場合だけです。言い換えれば、外貨建ての国債に関しては、政府と民間主体との違いはなくなります。

 

2008年の世界金融危機の余波を受けて、ギリシャやイタリアなどが財政危機に陥りました。それは、これらの国々の国債が自国通貨建てではなく、ユーロ建てだからです。

 

共通通貨ユーロを採用したヨーロッパの国々は、自国通貨というものを放棄しています。ユーロを発行する能力をもつのは欧州中央銀行だけであって、各国政府ではありません。

 

ユーロを採用した国々は、自国通貨の発行権という特権を放棄したために、国家であるにもかかわらず、民間主体と同じように、破綻する可能性のある存在へとなり下がってしまったのです。

 

■財政赤字の制約はインフレ率

 

国債は、自国通貨建てである限り、そして政府に返済の意思がある限り、いくら発行しても、債務不履行になることはあり得ません。

評論家 

1971年、神奈川県生まれ。評論家。元京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治思想。

1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年に同大学院にて優等修士号、2005年に博士号を取得。論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。

主な著書に『日本思想史新論』(ちくま新書、山本七平賞奨励賞受賞)、『TPP亡国論』(集英社新書)、『日本の没落』(幻冬舎新書)、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】』(KKベストセラーズ)。

著者紹介

連載目からウロコが落ちる奇跡の経済教室~基礎知識編

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

中野 剛志

KKベストセラーズ

読まれると経済学者・官僚が困る本ナンバー1 経済常識が180度変わる衝撃! 第1部 経済の基礎知識をマスターしよう 1.日本経済が成長しなくなった理由 2.デフレの中心で、インフレ対策を叫ぶ 3.経済政策をビジネ…

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