新型コロナウイルスの流行により、全世界で医療崩壊が相次いだ昨今、「命の線引き」という言葉も取り沙汰されるようになりました。ジレンマに苦悩する医療従事者も多く、医療現場では「医師のマネジメント」が重要になっています。そこで本記事では、愛知医科大学・内科学講座肝胆膵内科学准教授である角田圭雄氏の書籍『MBA的医療経営』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、解説していきます。
私たちの社会には「返報性のルール」というものがあります。「返報性のルール」とは、「他人から何らか恩恵を受けたら、似たような形でお返しをしなければならない」という社会的なルールのことです。このルールは私たちの社会に深く浸透しており、逆らいがたい強制力を持っています。日常的に返報性が働いています。
デパートの地下のお惣菜売り場で買い物中に、試食をもらうと、つい商品を買ってしまいます。試食のお礼に何かを買ってあげたいという気持ちが働きます。実は次のような研究結果が報告されています。観劇の際に、隣に座った人にコーラを手渡した場合と、コーラを手渡さない場合とで、その後の宝くじの販売量を比較すると、コーラを手渡した場合に宝くじの売上が上がっていました。
次回に続きます。
※本記事は連載『MBA的医療経営』を再構成したものです。
角田圭雄
愛知医科大学/内科学講座肝胆膵内科学准教授
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愛知医科大学
内科学講座肝胆膵内科学准教授
愛知医科大学内科学講座肝胆膵内科学准教授(特任)。一般社団法人日本医療戦略研究センター(J-SMARC)代表理事。医師、博士(医学)、MBA(医療経営学修士)。
1970年大阪府生まれ。1995年京都府立医科大学卒業、2002年京都府立医科大学大学院で博士号(医学)を取得。市立奈良病院消化器科部長、京都府庁知事局知事直轄組織給与厚生課健康管理医(総括)、京都府立医科大大学院医学研究科消化器内科学講師を経て2016年10月から現職。2015年英国国立ウェールズ大学経営大学院でMBA in Healthcare Management(医療経営学修士号)を取得。立命館大学医療経営研究センター客員研究員を兼任。日本肝臓学会評議員・指導医。日本消化器病学会評議員・指導医。日本医療経営実践協会医療経営士3級。
著書に『最新・C型肝炎経口薬治療マニュアル』(2016年4月、編集および共著)『症例に学ぶNASH/NAFLDの診断と治療|臨床で役立つ症例32』(2012年4月、編集および共著)、『最新!C型肝炎治療薬の使いかた』(2012年10月、編集および共著)、『見て読んでわかるNASH/NAFLD診療かかりつけ医と内科医のために』(2014年8月、編集および共著)
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